ブログ八重洲店
日本のお箸の種類
日本料理の食事を食べる時に欠かせないものといえば、“お箸”です。
「箸に始まり箸に終わる」ということわざがあるように、誕生してから死ぬまで、死んでからも箸は重要な役割を果たしています。
そんなお箸ですが、どのような種類があるのかはあまり知られていないのではないでしょうか?
本日は、お箸の種類についてお話をさせていただきます。
お箸の文化
食事の時にお箸を使う箸食文化圏は、中国、韓国、東南アジアなどにもあり、世界の約28%と言われています。近年では、日本食の広まりとともに、アメリカやヨーロッパなどの国にも広がっています。
けれども、日本以外では箸と匙(さじ)をセットで使うことが大半で、箸だけを使って食事をするのは日本だけで、箸先が細いのが特徴です。
これは、骨付きの魚を食べる時に、骨と身をより分けやすくするためのものです。
といっても、祝箸は両端ともに端に向かって細くなっているので「両口箸」ともいわれています。
これは、神道の考えにもとづいたもので片方の口は私たち人間、もう一方の端は神様が使うために細くなっています。
また、他の国とは違って自分専用の箸を持つのも日本だけの文化で、他の箸食文化の国々には見られない特徴です。
お箸の種類
日本の「お箸」は、二本一対になった棒状のものは共通ですが、食事用、調理用、取り箸の種類があります。
食事用箸
食事に用いられるお箸の多くは、「塗り箸」と呼ばれる短い木に漆・合成樹脂を塗ったものです。
一方、木目の美しさを出すため表面に漆などによる塗りを施さない箸もあり、木目の美しさを強調するために「天削げ(てんそげ)」と呼ばれる、上の部分を片面に向かって鋭角に切り落とす加工を施したものもあります。
近年では、塗り箸にも装飾として天削げの加工を施したものがあります。
実は、日本人の清潔感を重んじることから、お箸は一度だけ使用するのが基本で、たとえ高価な塗り箸であっても、何度も使える塗り箸は略式のもので、改まった席では木製のものを使います。
新品の箸をおろして一度だけ使用する「割り箸」は、そうして生み出されたものです。江戸時代末期の料理屋には、すでに割り箸があったそうです。
調理用の箸
調理専用の箸としては、菜箸(さいばし)や真魚箸(まなばし)があり、食事用の箸より長く、約30cmから40cmの長さがあります。
真魚箸は、盛箸ともいわれる魚料理の盛り付けに用いられる箸です。
平安時代から伝わる“包丁式”という儀式があり、包丁師が右手に包丁、左手に長くて先の細い箸を持ち、魚には一切手を触れずに見事にさばくというものがあります。
取り箸
取り箸は、料理の盛られた皿から個々の皿に取り分ける際に使う箸です。
自分が使っている箸で直接、教養の皿から料理を取るのは直箸(じかばし)といって、日本料理の席ではマナー違反とされています。
懐石料理では、青竹製のものがよく用いられています。
この取り箸は、新型コロナ感染以降のいまの新しい生活様式に合ったものともいえますが、その昔から日本人のマナーとして行われてきたというのは素晴らしいことだと思います。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。