ブログ八重洲店
戻り鰹と初鰹
さわやかな秋風が吹く季節、皆様におかれましてはご健勝のこととお慶び申し上げます。本日は、戻り鰹と初鰹についてお話させていただきたいと思います。カツオはカツオでも戻りガツオと初鰹と呼ばれるものがあります。それぞれの特徴や違いについて詳しく見ていきましょう。
戻りガツオと初鰹
カツオと言う魚は比較的なじみの深い魚です。カツオは暖かい海水を好み、大量の群れを作って黒潮の中を回遊しています。小さなイワシが大好物ですのでそのイワシを追いかけながらフィリピン沖から三陸沖まで広い海域を回遊しています。泳ぐ速さは毎秒で6から7メートル、最高速度は27メートルもの速さで泳ぐことができます。その影響からか胸びれの部分にのみ鱗があり他の部分は退化してしまっています。初鰹と戻りガツオの違いは旬の時期で分けられることができます。カツオには旬が2回あります。
なぜカツオには旬が2回あるのでしょうか。これにはカツオの珍しい生態にの影響されています。カツオは3月ごろに九州の南の方から暖かい黒潮に乗って北上していきます。そして8月ごろ、北海道までたどり着きます。産卵に備えるためと言われています。
南の方から黒潮に乗って北上している間に水揚げされたものを初鰹と呼んでいます。時期的には3月から5月ごろになります。反対に、南下している間に水揚げされたものを戻りガツオと呼んでいます。こちらは9月から10月ごろに水揚げされるそうです。
初鰹の特徴としては餌場に向かう途中で水揚げされるため脂身が少なくさっぱりとした赤みが特徴的です。あっさりとした味を楽しむなら初鰹がお勧めです。逆に、戻りガツオはたっぷりと餌を捕食した後ですので非常に脂がのっています。脂カツオやトロカツオと呼ばれるほど脂のノリが良いそうです。
カツオの栄養と効能
カツオにはタンパク質が非常に多く含まれています。体の4分の1がタンパク質と言われているほどです。また背骨の近くにある血合いと呼ばれる部分にはビタミンB12、ナイアシン、タウリン、鉄などが豊富に含まれています。カツオはだし汁として日本料理を提供するお店では重宝されています。タンパク質の中にうまみ成分のイノシン酸が非常に多く含まれているからです。また、アミノ酸の1つのレジンと言う成分が皮に多く含まれています。そのため皮をはがさずに調理されることも多いそうです。
貧血を予防してくれる効果があるビタミンB12は赤血球の生成を手助けしてくれます。また、タウリンと言う成分は血中コレステロール値を下げ動脈硬化を予防する効果も期待でき、肝機能の向上、目の疲れを和らげてくれる作用が確認されています。戻りガツオに関しては油が非常に多くのっています。その成分はエイコサペンタエン酸とドコサヘキサエン酸と呼ばれる不飽和脂肪といわれるものです。
食材としての利用
カツオは新鮮なまま生食で召し上がることをお勧めします。マグロと同様で加熱すると食感がパサパサしたものになってしまうからです。
1番目にする調理方法はたたきではないでしょうか。たたきはカツオの刺身にし、皮の部分をあぶりその後氷で締めたものを指します。一部の地域では活動の血合いの部分を削ぎ集め、細かく叩いたものに酢味噌をあえたものをたたきと呼ぶそうです。
鰹節もなじみの深い加工品ですね。鰹節は脂肪の部分を取り除き節と呼ばれる形に成形して加工したものをいいます。鰹節にも様々な種類があり、茹でて干しただけのものをなまり節、それを燻製にしたものを荒節、またさらに水分を抜きながら熟成させたものを枯節と呼んでいます。どの鰹節も食べる際には専用の削り器を使い削り節にして食べることが多いです。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。ぜひ一度、当店自慢の料理をお召し上がりになってみてはいかがでしょうか。