ブログ八重洲店
夏の川魚
毎日唸るような暑さが続いておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
本日は夏本番ということで、夏に旬を迎える食材について幾つかお話させていただきます。
<鮎>
まずは、やはり夏の川魚の代名詞といっても過言ではないでしょう鮎です。
実はこの鮎、一生の3分の1程度を占める仔稚魚期には海で生活しており、そこから川を昇ってきているんです。
現在ではそういった天然鮎でなく養殖鮎がスーパーなどでは多く見受けられますが。。。
ではそれらの違いとは何なのでしょう?
主な違いといたしましては
・見分け方
主な特徴としましては、体表に浮き出る黄色いマークです。
これは縄張り意識が強いほど多くでるらしく、平和に育った養殖物では出ない物です。
後は背ヒレ、尾ヒレが大きかったり胸ヒレの上部が黄色かったりです。
・味の違い
値段が全然違いますのでやはりここが一番気になりますよね!
主な違いとしては、まず天然物のほうは餌が苔なので淡白です。
いわゆる脂がしっかりと乗っているといったものではないです。
そういったこともあり、好みは分かれますが、やはり焼くと違いがよくわかります。
そして何より天然物は内臓ごとそのまま焼いて食べれます。
もちろん養殖物も内蔵を食べることは可能なのですが、あの独特な苦味や香り(主に西瓜の香りと言われている)は天然物ならではと言えるのではないでしょうか。
<鰻>
夏といえばやはり鰻は外せないでしょう!
「土用の丑の日」はいたる所で鰻が売られておりますので皆様にとっても馴染み深い食材なのではないでしょうか。
今年の丑の日は7月25日と8月6日になっております。
当店でもその日は鰻を使った料理を提供予定ですので是非お楽しみにしていてくださいませ。
細かい土用の丑の日の説明等はまたの機会にさせていただくとして、実はこの夏に鰻を食べるという風習、夏にあまり売れなかった鰻を売るための販促手段の一つだと言われているのです。
確かに鰻の旬は夏ではなく実は冬なのです。
まぁだからといって美味しくないのかと言えばそのような事はなく、しっかりと脂も乗っていますし、高タンパクで消化も良いので夏バテ予防に鰻を食べるという昔ながらの習慣が間違っているとか騙されているというわけではありませんので安心して下さい。
鰻に関しましては、皆様詳しい方も多いと思いますのであまり多くは語りませんが、今や絶滅危惧種となってしまった天然物の鰻、スーパーなどで売られている鰻には必ず「国産」「中国産」などと記載されておりますが、こちらは純粋に産地であって国産と記載されているからといって天然ではないのです。
国産の養殖鰻になります。
利根川や四万十が国産鰻(天然物)で有名ですが、全国の流通量でみるとわずか0.3%だそうです。。。
味の主な違いだけ軽く説明致しますと、
天然物はやはり個体差が多いが養殖に比べるとあっさりしている。
身や皮が厚く、力強いが皮が固めである。
後は川魚特有の爽やかな香りがある。
といったところになります。
中国産や台湾産の物は稀にゴムのような食感がする物もありますしね。
国産(養殖)の物も産地によって様々な違いがありますし、自分のお気に入りの鰻を探してみるのも一つの面白さなのかも知れません。
語りだすと止まらなくなってしまいますので今回はこの辺りで締めようかと思うのですが、
今回は鮎と鰻について少しだけですがお話させていただきましたが、当店では鮎は丸ごと1匹を唐揚げにしたり、焼いた鮎をほぐして鮎ご飯に、鰻は「鰻柵」にし、さっぱりと調理させていただいております。
今年は空梅雨のため常に暑いですが、暑さに負けず是非とも当店の食事で皆様の疲れを癒し、明日への活力に繋げられればと思い精進致しますので、当月も宜しくお願い致します。
瓢喜 八重洲店 料理長 大宅 康平