ブログ八重洲店
三徳六味(さんとくろくみ)が意味してる事とは
「三徳六味(さんとくろくみ)」とは、聞きなれない言葉かもしれませんが、精進料理に深く関わりのある言葉です。精進料理の極意とも言えるこの言葉が生まれたのは鎌倉時代のことですが、現代においても多くの人の心に響く言葉かもしれません。
本日は、「三徳六味(さんとくろくみ)」についてお話させていただきたいと思います。
三徳六味(さんとくろくみ)とは
「三徳六味」とは、「料理には、三徳と六味を備えなさい」ということを意味している言葉で、典座教訓(てんぞきょうくん)に記載されています。三徳とは、「軽くて柔らかい」「清潔である」「作法やしきたりに反しない」ということを指し、六味とは、苦い・酸っぱい・甘い・辛い・塩辛い・淡い味を指しています。ちなみに、ここでの「淡い味」とは、後からじわじわとおいしさを感じる味を意味しています。
これらを意識して調理することで、味も見た目も良く、栄養面でも優れた料理ができるものだとされています。
そもそも、「典座教訓(てんぞきょうくん)」とは鎌倉時代における永平寺の開祖、道元禅師(どうげんぜんじ)が創作した書で、食材に対する敬意を持つということや、整理整頓を心がけて、調理道具を大切にするといったことが書かれています。
精進料理と「三徳六味」
そもそも、精進料理とは肉や魚などといった動物性の食材を使用せず、植物性の食材のみ使用されている食事のことで、仏教の教えに基づいているものです。
もともと、精進料理は禅宗の修業中の僧の食事であり、食事もまた修行の一環であったため、味付けは控えめであると同時に、食材を無駄にせず大切に使うといった特徴があります。
「三徳六味」は、そのような精進料理の基本です。「甘い」や「辛い」などと言った5つの味には五感や五臓の機能をアップさせる働きがあると同時に、これら5つの味がバランス良く調和した食事は、健康にいいと考えられていたのです。また、「尊い命をいただく」といった食材に対する考え方も、精進料理に通じています。
「三徳六味」という言葉は、食の大切さについて、改めて実感させてくれる言葉です。ぜひ、精進料理を召し上がる際には、「三徳六味」という言葉を思い出していただければと思います。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております。