ブログ西麻布店

2018.2.24

精進料理について

 

新春とは申しながらまだ厳しい寒さが続いております。皆様いかがお過ごしでしょうか。

さて、本日は精進料理についてお話させていただきたいと思います。精進料理と言う言葉自体、聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。しかしその中身について詳しく存じ上げている方は少ないと思います。

そこで今回は精進料理について詳しくご説明させていただきたいと思います。

 

精進料理とは

精進料理

 

仏教の戒律において、折衝や煩悩への刺激を避けることに重点を置いて調理された料理のことを精進料理と言います。精進料理において使ってはならない食材は大きく分けて2つあります。一つ目は動物性の食材です。二つ目は五葷と呼ばれる野菜類です。五葷については各地域や時代での細かな違いが存在するようです。

 

仏教と言えば殺生が禁じられていますよね。これは沙弥の十戒をはじめとしてもとより禁じられていることです。しかし世界に目を向けてみると、ミャンマーやタイ、カンボジア、ラオスなどでは僧侶が三種の浄肉を食べることが認められているそうですね。

ですから日本のような精進料理はそこまで発達はしていないようです。タイのジェーがその一例です。

それに対し、中国、日本、朝鮮、ベトナムまでの大乗仏教圏においては肉食が厳しく禁止されてきたため、菜食文化が非常に発達してきました。

ちなみに、ヒンドゥ―教やジャイナ教の一部の信徒も不殺生を誓い、菜食を中心に生活している人もいるそうです。しかし、精進料理に関しては基本的には仏教と関係したもののことを指します。また、卵や乳製品に関しては微妙な扱いの為か各地域や時代により良し悪しがわかれるようでした。

 

五葷とはネギの仲間の野菜のことを指します。ネギのほかにはニンニク、ニラ、玉ねぎラッキョウなどが含まれます。仏教の考えではこれらの野菜には煩悩を刺激してしまう効果があり、匂いも強い食材ばかりですので禁止されたようですね。さらにこれらの野菜に追加して、山椒、生姜、パクチーなども含まれる地域もあるそうです。

細かいところではその地方、時代により違いはあるようです。

 

精進料理の特徴

大豆

 

精進料理は野菜や豆類などの食材を調理して食べることを言います。肉は食べてはいけません。昔は現代のように野菜をサラダのように生で食べる習慣はなく、必ず加熱調理をしていたそうです。加熱調理をするにあたり、あく抜きや水になどの下処理が重要になってきます。時間や手間のかかる下処理を行うことが精進料理の特徴の一つと言えます。

この下処理の技術や技法は現在の料理人の礎となっていると言っても過言ではないと思います。この歴史が今の料理界全体の技術の向上につながっています。

また、精進料理は様々な制約の中で調理しなくてはいけません。その為、一次加工、二次加工されてきたことも特徴的です。

例を挙げるならば大豆でしょうか。大豆はとても栄養が豊富です。菜食で不足してしまう栄養素のたんぱく質が多く含まれています。しかし、大豆を生で食べることは難しいので加工して食べるようになります。味や形を変えて飽きないようにしたり、長期保存も可能になるようにして加工されたものがたくさんあります。納豆、豆腐、豆乳、味噌、醤油などどれも現代で必要とされている食材ですよね。

精進料理を作る過程でこれらの食材は編み出されました。それに加えて、食品加工の技術も飛躍的に向上していきました。

 

今回は精進料理についてお話させていただきました。少し知識を得た後で食べる精進料理はまた違った味わいが出てくるかと思います。機会がありましたらぜひお召し上がりください。

 

当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。ぜひ一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。皆様のご来店心よりお待ちしております

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