ブログ西麻布店
瓢(ふくべ)
瓢(ふくべ)は、秋の季語となっています。
瓢箪(ひょうたん)、夕顔といった方がわかりやすいかと思います。
ひょうたんの真ん中がくびれた姿は、可愛らしいですね。
本日は、瓢(ふくべ)についてお話をさせていただきます。
瓢(ふくべ)とは、夕顔と瓢箪の実のこと
最古の栽培植物の一つとして、瓢(ふくべ)は原産地の北アフリカから、食用や加工材料として世界各地に広まったと考えられています。
瓢(ふくべ)は、夕顔(ゆうがお)や瓢箪の実のことです。
「夕顔」と「瓢箪」とは同一種ですが、大きな違いは食用になるか、ならないかです。
ウリ科ユウガオ属の一年草で、「夕顔」は、夏の夕方に白い花を咲かせます。
この夕顔は、冬瓜に似た実で、果実を紐状に剥いて、乾燥させたものがかんぴょうとなるほか、煮物や炒めものとなる食材です。
一方、瓢箪は同じウリ科ユウガオ属ではありますが、その果実である瓢は、苦味が強く、果皮が堅く食材にはなりません。
それどころか、ククルビタシンという成分を含んでいて、苦味成分となるばかりか、嘔吐・下痢等の食中毒症状を起こし、稀に死亡することもあるそうです。
夕顔は、食用にするためにククルビタシンの少ない品種を選んで、食用に改良したものなのです。
瓢箪の実
瓢箪は、果肉部分を取り除いて、外側の皮だけを乾燥させたものが容器として、水や酒を入れるのに利用されてきました。
軽くて丈夫な瓢箪は、世界各国で様々な用途に用いられてきましたが、その姿は中央部にくびれのあるものばかりではありません。
球形や首長の形、ヘビのように細長くなる形などいろいろあります。
瓢箪を縦に割ったものは、汲んだり掬ったりする用途として、杓文字(しゃもじ)や柄杓(ひしゃく)としても使われてきました。
ヒョウタン(瓢箪)を指す瓢(ひさご)の読みから、柄杓(ひしゃく)と呼んだとの説もあるそうです。
みなさまの中には、小さな瓢箪の七味入れをお蕎麦屋さんなどでお見かけされたことのある方もいらっしゃるかもしれませんね。
もともと、七味唐辛子は本物の瓢箪に入れられて、売られていました。
唐辛子は乾燥させておく必要があるので、瓢箪の湿気を吸い取る性質が入れ物が適しているためです。
今では、形だけが受け継がれて、本物の瓢箪を使っているものは少なく、瓢箪の形をした木製の器に入れられるようになっています。
夕顔の実
夕顔は、果実が食べられますので青果のひとつです。
実の形によって細長くなった「長ユウガオ」と、丸みを帯びた球状の「丸ユウガオ」とがありますが、大きな果実を実らせるのが特徴です。
形は違っても、味はどちらも冬瓜に近いものです。
「かんぴょう」に加工されるのは主に「丸ユウガオ」です。
ウリ科ではありますが、香りはあまり強くはありません。
皮の部分は少し硬く、中の果肉は真っ白で、中心部には綿状のところがあり沢山の種が詰まっています。
食べる時は、果肉の部分だけを食べますが、あっさりして味が染み込みやすいので、煮物や炒めもの、味噌汁の実にしたりします。
なかでも、出汁で煮た「そぼろ餡かけ」は初秋にふさわしい一品です。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。