ブログ西麻布店

2021.8.3

水茄子(みずなす)

「水茄子(みずなす)」といえば、夏!

今では一年中食べれるようになったとはいえ、夏の味として、水茄子は欠かすことのできないというファンの方が多い大阪南部・泉州地方の伝統野菜です。

本日は、「水茄子」についてお話しをさせていただきたいと思います。

水茄子

生でも食べられるのが「水茄子」

水茄子は、皮が薄くて柔らかい茄子で、アクが少なくほのかな甘みがあります。

また、名前の通り、水分を多量に含んでいて、手で握ると水が滴り落ちるほどです。

 

一般的なナスは、アクが強く生食には向かない野菜なので、生で食べられるというナスは珍しいものです。

日本各地で水茄子は、栽培されていますが、大阪南部・泉州地方で特に盛んに栽培されており、「泉州水なす」として有名です。

 

市場に出回る一般的な水ナスの形はしずく型で、すんぐりとした丸みをしています。

 

水茄子は皮が薄く、自分の葉やトゲですぐに表面が傷ついてしまう繊細な野菜です。

生産者の方は、傷がないものを作るために、果実に接触する葉を取り除くなど「葉かき」をして、一つひとつ傷がつかないように育てていらっしゃるそうです。

 

水茄子の食べ方

水茄子の特徴としては、水分が多く、皮も薄いので口に残らず、生のまま食べると独特の食感があり、ほんのりと甘味を感じることです。

水茄子の食べ方としては、生でも、火を通してもどういった料理でも美味しくいただけます。

 

とはいえ、やはり水茄子の最も美味しい食べ方は「浅漬け」ではないでしょうか?

水茄子を軽く塩もみして糠(ぬか)漬けをした「浅漬け」。

糠に入っている塩が水なすの水分をちょうど良く抜き、そこにぬかの旨味が入り込むことで、絶妙な美味しさが生まれます。

 

水茄子特有の瑞々しさ、甘味。

爽やかな食感は、夏の暑さをしばし忘れる清涼感があります。

 

もっとシンプルな楽しみ方としては、冷蔵庫で少し冷やしてから、手で裂いて食べることです。

 

本場、大阪泉州地域では、包丁を入れると美味しくないとされていて、手で裂いて食べるそうです。

といっても、大きなナスは慣れないと手で裂くことは難しいかもしれません。包丁で切れ目を入れるとキレイに避けます。

 

その後、お好みで醤油をかけてかつお節をまぶして食べる、または塩だけで食べるといったシンプルな楽しみ方です。

水なすは、空気に触れる時間が長くなるほど、味も色も悪くなりますので、割ったらすぐに食べるようにするのがポイントです。

 

 

水茄子は、生のままとしては、サラダやカルパッチョとしても使えます。

もちろん、煮ても、炒めても、揚げても、蒸しても美味しく召し上がることができます。

 

ですが、水茄子の宝物といえば「水分」。

それが失われる調理方法は、少しもったいないと思うのは私だけでしょうか?

水茄子の浅漬け

 

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