ブログ西麻布店
冬の味覚 松葉ガニについて語る
年内も余日少なくなってまいりましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
今回はこの時期人気の食材、松葉ガニについてお話させていただきます。
松葉ガニとは
一言で表現すると松葉ガニとは、山陰地方で水揚げされるズワイガニの事です。
一般的に流通しているものは三種類で「ズワイガニ」「オオズワイガニ」「ベニズワイガニ」の三種です。
流通するズワイガニは国産と輸入物とがあり、国産のズワイガニの中に、松葉ガニや越前ガニなどが含まれます。
また、松葉ガニの中に津居山ガニや間人カニなどが含まれます。
輸入 ⇒ ・ズワイガニ
国産 ⇒ ・松葉ガニ{間人、津居山など}(京都、兵庫、鳥取、島根)
山陰地方で水揚げされた物を松葉ガニと呼びます。
各漁港ごとに識別用のタグを付けてどこの漁港で水揚げされた物かを
判別できるようにしています。
また、各産地ごとに厳しい品質管理を行い、同じ漁港で水揚げされたものでも
品質が劣るもの識別用のタグをつけることが許されません。
ズワイガニの産地として、またブランドとしてもっとも有名なものの一つです。
近年は各漁港ごとに独自に名前が付けられ、松葉ガニの細分化が進んでいます。
松葉ガニの他の有名ブランドガニ
・越前ガニ(福井県)
松葉ガニと並んで知名度が高く歴史があるのが越前地方(福井県)で水揚げされる越前ガニです。
こちらも識別用のタグをつけて品質管理を行っています。
福井県下で統一されたタグを使用しており、黄色のタグが付けられています。
松葉ガニと並ぶブランドの一つとして全国的に有名です。
・加能ガニ(石川県)
加賀、能登地方で水揚げされるものです。
こちらも識別用のタグを付けて品質管理を行っています。
近年に他産地との行うためにブランド化され付けられたものです。
ブランドとしてはまだ日が浅く、ブランド名も現在売り込み中のカニです。
ただ、加賀、能登地方のズワイガニは、昔から美味しいズワイガニの産地として知られており
味わいについては折り紙付きです。
・北海松葉(北海道)
名前の通り北海道で水揚げされるものです。
最近少しずつ名前を聞くようになってきました。
北海道には、タラバガニ、毛ガニなど他のかにがあるので今まであまり力を
入れていなかったそうです。
上の3つのブランドと比較するとかなり安価なために国産の中では手に入れやすい
ズワイガニになります。
松葉ガニとズワイガニの違い
松葉ガニや越前ガニもズワイガニと同じカニですが、違いとしましては生息地や水揚げ産地が限定されています。
松葉ガニは日本海の丹後半島から島根県沖の日本海に生息しているズワイガニで、
水揚げされる漁港も京都府から島根県の漁港に限定されています。
昔から日本海の中でもこのエリアは美味しいカニが育つ環境に恵まれているとされています。
海底の地質やプランクトンの種類などカニの生育に向いた場所と言われています。
ズワイガニは、北太平洋、オホーツク海から日本海全般に生息しています。
松葉ガニは、その中でもごく限られたエリアで生息しているズワイガニという事になります。
松葉ガニは、資源保護の為に漁期を定めて漁を行っています。
基本的に毎年11月6日から3月20日と定められており、それ以外の期間に漁を行う事は出来ません。松葉ガニのメスにあたる「セコガニ」はさらに漁期が短く、11月6日から12月31日と定められています。
越前ガニや加能ガニも同じように漁期が定められています。
冷凍品のズワイガニなどは、オホーツク海で水揚げされ、冷凍されて流通しますが、京都から島根県の沖合で漁獲され、
水揚げされた松葉ガニは活けの状態で流通します。
死んでから時間の経過した松葉カニは味が劣るので水揚げされる産地でもかなり安価で流通することになります。
冷凍されて流通するカニと活けの状態で流通するカニとではやはり味が違ってきます。
特に冷凍品で加工しているタイプは何度も冷凍と解凍を繰り返したりしているものもあります。
そのような場合は解凍するたびに水分と旨味が溶け出してしまいます。
なので、松葉ガニは活けで流通させるのは当然、しかも、カニの状態によってブランドのタグをつけたりして姿形だけでなく身入りの状態も確認を行ってブランドのタグをつけています。
上記のように取り扱う事によって味と鮮度を保って流通させていく、この事が美味しいカニとして長年に愛され続けている要因です。
いかがでしたでしょうか。
ズワイガニ一つにしてもこれだけのブランドがあります。カニに限らず、野菜、魚にもブランドがございます。
瓢喜西麻布店でも、京野菜や三大和牛をご用意して皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
西麻布店 料理長 小川