ブログ西麻布店

2017.1.23

京都で作られた上品な味の京漬物

お正月気分も抜け、ますます寒さが厳しくなってきました。こたつから出るのもつらい程の寒さではありますが、この冬の凛とした空気は気を引き締めるにはうってつけですね。

さて本日は京漬物についてお話させて頂きたいと思います。

京つけものとは

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京漬物とは、その名の通り京野菜で作った漬物です京都府漬物協同組合の商標登録です。イメージ的にはあっさりしていて上品な味の漬物だけが名乗れると思いがちですが特に厳しく定義付けはされてはいないようです。
漬物の歴史はと言うとかなり古いもので、諸説ありますが、3000年~4000年前にセリやワラビなどの山菜を海水に付けたことが始まりと言われています。奈良時代にはウリ、青菜の塩漬けがたべられ、平安時代にはいろいろな漬物を食べていたという記録があります。また粕漬けはこの頃から食べられだしたそうです。
江戸時代には漬物に革命といっていいほどの事が起きました。それが糠漬けの始まりです。
それまで酒粕や味噌を使った漬物は1回きりしか漬け床を使うことができませんでした。しかし糠の漬け床は何度も漬けこむことが出来るのです。そのため、糠漬けという方法が確立され一般家庭にも広く普及しました。ちなみに、今も広く食べられている沢庵漬け、べったら漬け、奈良漬、糠漬けなどは江戸時代にはじまったものです。

 

京漬物が広く普及したのには理由があります。それは京都の土地柄にありました。昔から京都は質の良い野菜が取れ、京都の土地ときれいな水により育ったその野菜を昔ながらの伝統的な技術で漬けあげます。
京漬物は1つ1つが作品とも言える程の域にも達した京漬物は世界にも誇れる伝統的な食べ物と言えます。
では代表的な京漬物をご紹介したいと思います。まずは千枚漬けです。聖護院かぶを薄く切ったものを樽に漬けた京都を代表する漬けものです。樽に敷き詰められている様もとても芸術的で美しいです。江戸時代末期に孝明天皇御所の宮中に仕えた料理人の大藤三郎が考案したものです。当時は酢を使わずに塩漬けだけで作られていましたが、現在は大量生産、早期熟成が可能になった為、酢漬けされたものが多くなっています。京都では家庭で自家製千枚漬けを作ることも多くなじみの深い漬物です。

 

その他の京漬物

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次は柴漬けです。なす、きゅうり、みょうがを赤シソの葉っぱと共に漬けこんだものです。京都の家庭には欠かせない品です。シソの香りが食欲をそそります。柴漬けのしばとは、赤紫蘇のことを指しています。京都市左京区大原は昔から赤紫蘇の産地として有名で、柴漬けの発祥地と言われています。色鮮やかな外見はもちろん、程良い酸味が特徴です。

 

壬生菜も有名です。京都市の壬生で昔から作られ続けてきたキョウナの一種で、辛みが特徴的な菜っぱです。白ご飯によく合うので一度お試ししてはいかがでしょうか?
あとは、ゆず大根です。ほのかに甘さがあり、さわやかな柚子の香りが年代を選ぶことなく人気です。半分に割った大根を肉厚にして食べたり薄くしてお茶漬けにつけてもおいしいです。

 

ご紹介出来たものはごくわずかですが、京野菜を使った漬けものは様々な物があります。新鮮な京野菜が生産され続けてきた京都で漬けものが愛され続けてきたのは必然の流れだと思います。懐石料理についてきたり、お酒のお供にと様々な場面で存在感を出している漬けものですが、ただの脇役というわけではなく日本の伝統的な食文化を支え続けてきた重要な食べ物であると言えます。
漬けものというシンプルかつ奥の深い食べ物を守り続けてきた先人へ尊敬の気持ちを忘れることなく、和食に携わる者として私も未来へ伝えていこうと思います。

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