ブログ京橋店
赤飯の「小豆」の赤い色は、邪気を払ってくれます
赤飯の赤い色は、「小豆」からの煮汁によるものです。
昔から小豆の「赤色」には邪気を祓ったり、災いを避けたりするという力があると考えられていたそうです。
本日は、こうした赤飯の持つパワーにちなんだお話をさせていただきます。
小豆の赤い色に秘められたパワー
赤飯とは、もち米に「小豆」または「ささげ豆」を混ぜて蒸したおこわのことです。
「もち米」を使った日本の伝統的な食文化の一つで、日本人のお祝事にはかかせないものとなっています。
赤飯、その名前の通りにもち米は小豆の煮汁で赤く染まっています。
「赤色」は、 太陽や炎、血の色を連想させます。古くから呪術的・祭祀的な意味をもって使われてきました。
鳥居の色も赤色ですね、還暦祝いに身をつけるも赤色と暮らしの中の様々な場面に赤の力を頂こうという名残があります。
この赤い色には、小豆のポリフェノールなど、体に嬉しい成分も含まれています。
その煮汁をもち米にしっかりと吸収させることで、小豆の栄養分をあますところなくいただくことができる調理方法となっています。
栄養面では、赤飯に欠かせない小豆は玄米に近い量のビタミンB1が含まれています。
ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変える作用があり、筋肉内に糖質が蓄積して疲労物質になることを防いでくれます。
この秋の始まりにぴったりな疲労回復、筋肉痛、夏バテなどに効果があるとされています。
お赤飯に飾られる南天の葉
お赤飯に南天の葉を飾っていたり、お店で買った赤飯の包み紙に南天が描かれているのを目にしたことはありませんでしょうか?
南天の葉には、防虫・防腐効果もあるそうです。
江戸後期の井原西鶴「好色一代女」の中にも「大重箱に南天を敷き、赤飯山のやうに詰めて…」とあり、お赤飯には南天の葉がセットで使われていたことがうかがえます。
見た目も緑の南天の葉が載っていると美しいですが、南天の葉には、「ナンニジン」という成分が含まれており、お赤飯の熱と水分により「チアン水素」を発生させます。
このチアン水素にお赤飯を傷みにくくさせる作用があるそうです。
そのほかにも、南天は「難を転ずる」という語呂合わせから縁起の良い木と言われています。
お祝いごとが家内であったら、親しい方にお赤飯を南天の葉を添えておすそ分けといった風習も今ではほとんど失われていますが、幸せを分け合い、難が幸運へ転じますようにとの思いを感じられます。
コロナ渦で家で過ごす時間も多くなっているかと思います。
この後、簡単に作る赤飯のレシピをご紹介いたします。
お餅で作るお赤飯の作り方(料理長の簡単レシピ)
赤飯は、もち米を使って作るのが一般的ですが、もち米はないけれどお餅ならあるというお家もあると思います。
そうしたお家に向けて、京都京都 瓢斗 料理長のお赤飯の作り方をご紹介いたします。
【材料・分量】4人分
米 2合
小豆 50g
切り餅15g
水(渋抜き用)1カップ
水(煮る用) 4カップ
水(炊飯用) 2合分から煮汁を引いた量
【作り方】
1.切り餅を粗みじん切りにします。
2.小豆をひと煮たちさせ、一度ザルにあげて湯を切ります。(渋抜き=アク抜きです)
3.もう一度小豆と水を鍋に入れて、今度は柔らかくなるまで煮ます。指でつぶせる位柔らかくなったらザルにあげます。煮汁は取っておきます。
4.炊飯器に、お餅、小豆、煮汁に足りない分の水を入れて炊きます。
5.炊けたらさっくり混ぜて完成です。