ブログ京橋店
羽汰【魚】について
季節も移ろい、秋の気配が感じられる今日この頃です。
今回は多種にわたる羽汰についてお話をしてみたいと思います。
スズキ目ハタ科に属する魚の総称。ハタ亜科はマハタ亜科と呼ぶ場合もある。
バラハタ、クエ、タマカイ、アカハタ、ユカタハタ、サラサハタなど、26属約190種が
知られる大きなグループである。
ほとんどの種類は岩礁やサンゴ礁に生息するが、マングローブなどの汽水域に侵入する種類や、
水深200m以深の深海まで生息する種類までいる。
成魚の大きさは全長10cmそこそこの種類から、全長2mを超える大型種まで様々である。
多くの種類が雌性先熟の性転換を行うので、大きく成長した個体のほとんどはオスである。
形態上の特徴としては、口が大きくて、下あごが上あごより前に突き出ること、体に対する頭と
ひれの割合が大きいこと、体の断面は下がふくらんだ楕円形であることなどがあげられる。
体色は種類や成長段階によって非常に多彩で、赤、橙、黄、青、灰色などの鮮やかな色が、
水玉模様、大小の斑点、しま模様など様々に配されている。
食性は肉食性で、他の魚類や甲殻類、頭足類など大きな口で捕食し、時には自分の体の半分ほどもある獲物にも貪欲に襲いかかる。水族館などで飼育する場合も、飼育自体はわりと簡単だが、
たまに「野生を発揮」して同居魚の数が減るのが難点となる。
繁殖は夏に行われる。親は卵を保護せず、卵はプランクトンとなって海中を浮遊しながら発生する。孵化した稚魚は海岸のごく浅い場所にもやってくるが、成長するにつれ深場に移動する。
ハタ類のことを九州では「アラ」とよび、魚偏に荒の国字(和製漢字)がつくられている。
香港では「石班魚」と称して、蒸し魚やフライにして食べることが多いが、近年は広東料理の普及とともに、中国各地でも消費されるようになり、広東省、福建省などで大量に養殖されている。
おもな種類として、
・アカハタ…「全長40cmほど、全身が赤く、濃い赤褐色の横しまが5本あるが、背びれの先が黒いことで近似類と区別できる。」
・キジハタ…「全長30cmほど、全身に瞳孔より大きい橙色の斑点がある。九州や香港で高級食材として人気が高い。」
・アオハタ…「全長30cmほど、体に褐色の5本の横しまがあり、ひれが全体に青く端が黄色い。食材とされるハタ類の中では安価。」
・クエ…「全長1mを超える大型種。体に6本の黒っぽい横しまがあるが、頭部のしま模様は口に向かって斜めに走る。幼魚は模様がはっきりするが、成魚になると、模様が不明瞭になる。 高級食材として扱われ、釣りの対象魚としても人気が高い。 云わずと知れ、鍋などでもとても美味で人気がある。」
・タマカイ…「最大で全長2.7m・体重400kgの記録がある大型種。各ひれが黄色で、黒い斑点がひれの軟条に沿ってたくさん並ぶ。」
・マハタ…「全長1mほどになる大型種。極大まで成長したものをカンナギと呼ぶ。体に7本の黒いしまがあり、尾びれの先が白い。クエとよく似ているが、体がやや詰まりなことで区別する。タイなどに代わる高級養殖魚として注目されている。」
・スジアラ…「全長80cmほど。全身が赤から褐色で細かい水色の斑点がある。 沖縄では(アカジンミーバイ)、香港では(東星班トンシンバーン)と呼び高級魚とされる。」
料理としては、刺身はもちろん 酒蒸し、煮付け、唐揚、鍋、味噌汁、カルッパチョ、パエリア、しゃぶしゃぶ、フライ、炊き込みご飯に活用したりできます。また塩焼きでは、磯の香りと共に、甘さもあり美味しいです。
刺身は3~4日ねかせるとアミノ酸が増えて旨みが増します。 昆布締めなどでも美味しく召し上がれます。しかしながらおすすめは汁を用いたお料理が味を一番引き立たせてくれると思います。
皆様も期会をみてご賞味されてみてはいかがでしょうか。
今回は、ハタについてお話をさせていただきました。
お付き合い有り難うございました。
京橋店 料理長 大日向 勝弘