ブログ京橋店

2018.5.29

生姜(しょうが)について

蒸し暑い季節の気配が感じられるようになりました。
寒暖差が激しい時季ですが、お変わりございませんでしょうか。

今回は、私たちの生活に非常になじみの深い「生姜(しょうが)」についてお話させていただきます。

 

生姜の歴史

生姜の原産地はアジアのどこか、とはっきり分かってはいません。紀元前から使われていたようです。
狩猟の文化が進むにつれ、肉や魚の調味料として、また薬として使われていたと考えられています。
 
日本では、古代の文書に「はじかみ」として記載されており、この頃には中国から伝わっていたと考えられます。
(はじかみとは、元々は山椒のことを指します。生姜のピリッとした辛さが山椒の辛さと似通っていたことからそう呼ぶようです。現代でも生姜は「はじかみ」の別名で呼ばれることがあります。)
古代ではあまり食用にすることがなかったようですが、その後、奈良時代、平安時代の文書には食事に関する文章の中に生姜が登場しており、この頃には食べられていたようです。

 

栄養

栄養と言うよりも効能と言うべきか。生姜にはまるで薬の様な優れた作用があります。
冷え予防には生姜を食べると良い。と聞かれたことはありませんか。
生姜の辛み成分「ジンゲロール」には血管を拡張させる作用があります。血管が拡がり血の巡りが良くなるため、体がポカポカと温まるのです。

また血の巡りが良くなることから、頭痛の緩和や肩こりにも効果があると言われています。
さらに、胃酸の過剰な分泌を抑えることから吐き気を止めたり、鎮痛消炎作用もあるそうです。

暑くなるこれからの季節には、生姜を加熱せずに生で召しあがってください。
生姜の辛み成分「ジンゲロール」は、加熱や乾燥させると「ショウガオール」に変化します。
どちらも体を温める効果があるのですが、「ショウガオール」は体の中に熱を作り出し、その熱でジワジワと数時間かけて温めていくのに対し
一方「ジンゲロール」は、血の巡りをよくすることで、元々あった熱を体の隅々まで行きわたらせ放出するそうです。

そのため、暑い夏には生の状態で「ジンゲロール」による熱の放出作用を、寒い冬には加熱して「ショウガオール」による熱を作り出す作用を、とそれぞれうまく使い分けるとよいでしょう。

 

料理への取り入れ方

生姜の豊富な効能の1つに、殺菌作用があることは広く知られています。
寿司に添えられている生姜の甘酢漬けは、口の中をさっぱりさせるだけではありません。生ものの殺菌作用も期待できるのです。
また、生もので体を冷やし過ぎることも防げますので、生ものと一緒に生姜を食べることはとても理にかなっています。
 
生姜の食用としての一番の特徴はその香りでしょう。
魚や肉の臭みを取る効果もありながら、香りをつけることで余計な塩分を減らすこともできる天然の万能調味料です。
 
鯵やサンマなど青魚のお造りは、おろしたり刻んだりしたものと一緒に。
魚の焼き物には、紅色の矢生姜を甘酢で漬けたものを添えると、目にも鮮やかです。

 

便利な保存食

根生姜は、真夏真冬以外は切っていなければ紙でくるみ室温で保管できます。
乾燥したように見えても、切ると瑞々しい断面が出てくるでしょう。
 
ご家庭で効率よく保存される場合は、冷凍、乾燥をおすすめします。
針生姜や輪切りにし密封した袋に入れて冷凍したり、すりおろしたものを製氷皿に入れ冷凍させれば、忙しい時にもさっと使えて便利です。
生のものより風味は落ちるのでお早めに使い切りましょう。
 
輪切りにし、陰干しで乾燥させ、ミルにかければ生姜パウダーの出来上がりです。
湿気に気をつけていれば長く保存でき、紅茶や牛乳にサッとかけたり、菓子作りにも使いやすい便利な調味料になります。
 

 
6月の会席料理では、新生姜を一緒に炊いたご飯をお出しする予定です。
生姜のさわやかな香りが食欲をそそります。
 
暑くなってくる季節に、さわやかな香気の生姜で元気に過ごしましょう。

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