ブログ京橋店
無花果(いちじく)について
無花果(いちじく)は、ツブツブとした独特の食感と、優しい甘さがクセになる果物ですよね。そのままフルーツとして食べるのはもちろん、お料理に用いて華やかさを添えることでも知られています。
今回は、初夏に最初の旬を迎える「無花果(いちじく)」についてお話いたします。
無花果(いちじく)の特徴・栄養
無花果(いちじく)という果物は、漢字だと「花が無い」と書くために、花が咲かずに実がなるように思われるかもしれませんが、食べるとプツプツと歯に当たる部分がありますよね。実は、これがイチジクの花なのです。
イチジクは、受粉しなくても実が成る性質があるため、花が隠れていても問題がないのです。実の中に花がついているなんて、珍しい果物ですよね。
イチジクは、キリスト教の聖書に登場するアダムとイブが体を隠したのはイチジクの葉であったように、それほど古くから親しまれている果物で、古代ローマでは「不老不死の果物」と呼ばれて珍重されてたそうです。
イチジクには水に溶ける食物繊維が豊富に含まれているため、便秘の予防や解消に効果があるとされています。さらに、コレステロール値を下げて、血糖値の急激な上昇を抑える効果もあるのです。他にも、血圧を下げる効果があるとされているカリウムも多く含まれています。
また、イチジクには女性ホルモンのエストロゲンに似た働きをする「植物性エストロゲン」が含まれています。これは、エストロゲンを助ける効果があることから、更年期障害などといった女性特有の不調を和らげる効果があるともされています。
たんぱく質分解酵素も含まれているため、肉や魚と一緒に食べると胃のもたれを抑えたり、料理で合わせることで肉を柔らかくしてくれるという嬉しい効果もあるのです。
日本料理と無花果
イチジクは、江戸時代に中国から伝わってきたとされています。
その独特な風味と甘みを活かして、現在でも胡麻和え、白和え、天ぷら、甘露煮、田楽といった日本料理をはじめとして、様々な料理で用いられています。
もちろん、加熱せずそのまま少しだけ胡麻味噌をかけたり、そのままフルーツとしても美味しく食べることができます。
お料理に使用する際は、断面の白から薄桃色、濃い赤紫の濃淡が美しく映えることによって、初夏らしい華やかさを添えることができます。
下ごしらえ
イチジクは、もちろん水で洗ってそのまま食べて美味しいのですが、外側の皮の歯触りが気になる場合や、煮ることによって紫色の色が強く出てしまうのが気になる場合には、手で剥くとうまく剥けず表面に傷がついてしまいますので、湯剥きを試してみてください。
まず、穴あきおたまなどにイチジクを置いて、熱湯にお尻からそっとつけるのが上手に湯剥きするコツです。
イチジクを湯に思い切りつけてしまうと味も食感も悪くなってしまうので、ほんの10秒ほどで大丈夫です。
湯から出したら冷水で冷やし、優しく剥いていきましょう。
もし、途中で剥けなくなってしまったら、もう一度優しくお湯にくぐらせると、うまくいきます。
イチジクは、「庭に植えると家に害をなす」と言われていたために、庭木としてはあまり見ることがありませんが、その味や豊富な栄養、料理への使いやすさから人気な果物の1つです。
ちなみに、この「家に害を成す」とは「無花果に花がつかないことは、子孫が繁栄しない。」ということを意味しているそうです。花は実の中についていることを、昔の人は知らなかったようですね。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。