ブログ京橋店
添え物で季節を表現する
添え物とは、あしらいや、かいしき、つまなどといった、文字通り「料理に添えるために使われるもの」のことを言います。彩りを添えてくれる役割があることに加え、その季節を表現することもできます。
本日は、添え物についてお話させていただきたいと思います。
添え物とは
冒頭でも触れたように、あしらいや、かいしき、つまなどといったものを添え物と言います。
今回はあしらいに注目してみたいと思います。
あしらいは、一言で表すと「飾り」です。ただし、あしらいは「飾り」だと言っても基本的に食べることが出来ます。
しかし西洋料理の付け合わせなどとは異なって、あしらい自体が料理というわけではなく、料理を美しく盛り付ける為の「脇役」なのです。また、時には殺菌効果や、同時に食べることによって料理の味を引き立てるなどという役目もありますが、ほとんどの場合は装飾の意味で用いられます。
季節ごとのあしらい
春を表現するあしらいには、桜の花やワサビ菜などが挙げられます。
桜花は、みなさんもよくご存知の通り、日本の春を象徴する花ですよね。
主に塩漬けにされる食用の桜の花にするのは八重桜ですが、あしらいや飾りにはお花見でもおなじみの代表種である「ソメイヨシノ」が多く使用されます。
そして、「わさび菜」は決してわさびの葉ではありません。
名前が紛らわしいのですが、「わさび菜」とはダイコンの葉に似た欠刻があり、葉面がチリメン状にちじむ丸茎の葉です。わさびに似た独特の辛味を持っているのが特徴です。生のままでも、煮物でも、さっぱりした味を楽しむことができます。
夏に使われるあしらいは、ゆずの花や、ほおずきなどがあります。
初夏限定のあしらいであるユズの開花の時期は、5~6月の短い期間ですので、この時期にあしらうと非常に風情がありますよね。
お造りのツマや吸い口などによく用いられます。
ほおずきは、お盆の紙提灯を想わせる姿が印象的な夏の風物詩のような飾り花です。
フィサリスやトマティーヨなどといった食用になる種類もありますが、一般的なほおずきの実には酸味と苦味がありますので食用には適しません。
秋のあしらいには、稲穂、紅葉などが挙げられます。
植物体の稲と米になる籾が両方ある稲穂を10月頃の献立に添えると、とても秋らしい雰囲気を出すことができます。
あまり知られていないかもしませんが、稲穂は高温で揚げると食べることもできます。
そして、モミジは字面通り紅葉の美しさをお料理に添えてくれます。
秋料理のアクセントに欠かせませんね。
冬のあしらいには、柊、冬桜などがあります。
冬に赤い実をつける柊(ひいらぎ)の葉は、クリスマスの飾りの定番でもあります。
柊は邪気を払うとも言われていて、鋭いトゲは虫よけの効果を持っています。
冬に花を咲かせる冬桜は、山形の啓翁桜です。
正月飾りなどに使うと雰囲気が出ます。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。