ブログ京橋店
日本料理のマナー 椀物の食べ方
椀物は、日本料理の中でもご馳走とされる料理です。
日本料理には「椀刺しが華」という言葉があり、「お椀」と「お造り」のことをいうのですが、「お椀」のお出汁と、「お造り」の庖丁が料理人のいちばんの腕の見せ所という意味です。
本日は、椀物の食べ方についてお話をさせていただきます。
椀物とは
椀物とは、お椀に入った料理全般のことをいいます。
会席料理は、酒を楽しむための酒菜で構成されたコースで、「先附」、「お凌ぎ」、「椀物」、「向付・刺身」、「煮物」、「焼物」、「強肴」そして、「ご飯・香の物・止め椀(汁物)」、最後に水菓子・甘味が出てくるといったように、順番にお料理が一品ずつ出てきます。
紛らわしいのが、椀物と汁物、吸い物の違いです。
「椀物」は「吸い物」ともいい、器にお椀を使ったものをいいますが、「汁物」は、お吸い物、みそ汁などの汁を使った料理をいい、使う器は関係ありません。
また、「吸い物」は酒肴の一種に数えられることもありますが、椀物と同じ意味合いで使われることも多くあります。
椀物の器には、木製のお椀が多く使われています。
木製の器は、料理が冷めにくく、熱い汁物を入れてもお椀の表面に熱が伝わりにくいということで用いられています。
高価な塗り椀を使っていることが多いのですが、こうした塗り椀は、とても美しいのですが衝撃に弱く、少し落としただけでも塗料が落ちてしまうことがあります。
こうしたことから、この後ご紹介する椀物の食べ方のマナーでも、椀を大切に扱う動作が必要になります。
椀物の食べ方
椀物の食べ方について、そろそろお話をしていきましょう。
一品料理として出された椀物は、蓋つきのお椀で出されるのが一般的です。
小ぶりのお椀なら手で持ち、大きめのお椀なら膳に置いたまま、懐紙か蓋で煮汁を受けながらいただきます。
お椀の開け方
- 左手をお椀の縁に添えて、右手で蓋をつまみ静かに持ち上げます。
- 左手を椀の縁に添えてしっかり持ち、右手で蓋をつまみ「の」の字を書くようにして開けます。
- 蓋の内側についたしずくは落ちないように、蓋は傾けながら持ち上げて、しずくは器の中に落としてから開けましょう。
- 左手を添えて蓋を裏返し、お椀が右側にあれば右奥に、左側にあれば左奥に置きます。
- 蓋を開けたら、具と食材を鑑賞し、香りを楽しみましょう。
椀物の食べ方
- 椀を持ってから、お箸を握ります。
- 汁の香りを楽しみながら、お椀の中の具材が出ないように箸で押さえ、だしを一口いただきます。
- 具材は盛りつけてある上から順に食べていきます。汁と具材をバランスよく食べましょう。
- 大きい具材を食べる時には、箸でひと口大に切っていただきます。
椀物の食べ終わり
- お椀を置く場合はまず箸を箸置きに置き、お椀を両手で持って置きます。
- 食べ終わったら、蓋を両手で持って元の形と同様に蓋をします。
- 蓋の裏を上にしたり、蓋をずらして置くのはNGです。
面倒なマナーと思われたかもしれませんが、きちんとした店で日本料理を食べる機会は少ないもの。
和食の食べ方のマナーの中でも悩みがちな椀物の食べ方についてお話をさせていただきました。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。