ブログ京橋店
アスパラガスについて
深緑も増して植物たちも暑い夏に備えて水分を蓄える梅雨のこの時期、おいしい夏野菜達が出ております。今回は、その中でアスパラガスについて触れてみたいと思います。
アスパラガスとは
アスパラガスは被子植物の中の単子葉植物に属する多年生草本植物です。
クロンキスト体系ではユリ科に含まれますが、分子系統学によるAPG植物分類体系ではキジカクシ科に属し雌雄異株になります。葉のように見えるものは、実際は極端にほそく細かく分岐した茎でして、本来の葉は鱗片状に退化しています。
栄養成分(アスパラガス若茎)分量は100g当たり、カロリ22g、脂質0.2g、コレステロ-ル0mg、ナトリウム2mg、カリウム270mg、炭水化物3.9g、水溶性食物繊維0.4g、不溶性食物繊維1.4g、タンパク質2.6g、ビタミンC15mg、鉄0.7mg、マグネシウム9mg、カルシウム19mg、ビタミンB60.1mgなどになります。
このようにビタミンA、ビタミンB1、B2、ビタミンC、ビタミンE、カリウム、カルシウム、鉄、食物繊維とアスパラには美肌や疲労回復効果のある成分が多く含まれていますし、特にビタミンEは抗酸化作用を持つことで注目を集めていますから、アスパラガスは美容、美肌食材としても優秀と言えますね。
この時期になると特にたべたくなるアスパラガス。その独特の苦味やえぐみは、さわやかなグリーンの彩りとともに、目にも舌にも美味しくて食卓に欠かせない食材ですよね。
アスパラガスは体にいい
このアスパラガスが身体に良い食材であることは、結構有名なお話です。アスパラギン酸という成分についても、美や健康に敏感な方々ならばきっと耳にしたことがあるはず。でもアスパラガスに秘められたパワーはそれだけじゃないんです。
免疫力アップや疲労回復、さらには肝機能改善などなど若い女性から壮年の方々にまで広い世代にありがたい効能がいっぱいなんです。あなたもアスパラガスのパワーを身体に取り入れてみませんか?
ヨーロッパでは、古来から食用または観賞用として馴染みのあるものでしたが、日本で食べられるようになったのは明治以降と私たちにとっては比較的新しい食材です。
種類による栄養の違いとしては、紫アスパラガスは甘みが強くて美味しく、ビタミンやポリフェノールがグリーンアスパラガスよりも豊富なのですが、こちらはまだまだ数が少ないため入手困難なこともあるようです。
またホワイトアスパラガスは、グリーンアスパラガスよりも太陽に当てる時間が短く、アクが少なくて食べやすいのですが、その分含まれる栄養分も少なめとなってしまいます。日常的に食べるようなら、グリーンアスパラガスがおすすめです。
アスパラガスに多く含まれるアスパラギン酸はアミノ酸の一種で、様々な効能を持つ成分で旨み成分でもあります。味噌や醤油の原料となる豆類などにも多く含まれ、その旨みの素がアスパラギン酸といわれています。
アスパラギン酸は人間の体内で作ることができる成分です。しかし、年齢と共に体内で作られる量が減ってしまうため、意識的に食物から摂取する事を心がけるとよいでしょう。
アスパラガスひとつで、疲れの素となる乳酸を分解する作用と様々な栄養分からエネル
ギーを作る作用の両方が得られてダブルの効果で疲労回復ができます。
アスパラガスの保存方法
保存の方法としては、水を入れたコップに穂先を上にして立てたり、水で濡らしたペーパータオルに包んでからビニール袋に入れて冷蔵保存、または加熱調理してから冷凍保存するなどの方法があります。
調理する時の注意点としては、アスパラギン酸は熱に弱く、ビタミンBとCは水溶性、ビタミンAとEは脂溶性なので長く加熱するとせっかくの効果が薄くなってしまいま
す。またビタミンが溶け出した茹で汁を捨てるのはもったいないですよね。
ですので、スープにするか、さっと炒めて食べるのがおすすめです。使う際は基本下茹でしてからになりますが、天ぷら、フライなど揚げ物などにお使いになる場合は必要ありません。サラダ、ソテー、グリル、和え物、スープ、揚げ物と多用なお料理に栄養豊富で使い勝手のよいアスパラガスを是非お召し上がりください。
沢山食べて暑い夏を元気に乗り切りましょう。
産地はどこ?
産地としては北海道がダントツトップです。次いで長野、佐賀と続きますが、栽培面積に対する収穫量の割合は、佐賀や長崎など九州では生産効率がとても高いというデータがあります。栽培方法にもよりますが、立茎栽培という手法では、春に「春芽」を収穫した後、一株に4~5本残しておくことで、それを親としてその後9月頃まで、その親の根元から芽がでてくるそうです。この後から出てくるものを「夏芽」といいます。
選ぶポイントとしては、アスパラガスは穂先がしまっているものを選びます。また、根元あたりまで張りがあり、切り口が新しいものが新鮮です。しわっぽかったり、切り口が茶色いものはやめましょう。また、色も鮮やかな黄緑色のものが柔らかくて美味しいです。
当店でも旬の野菜を用意し、皆様のご来店をお待ちしております。
瓢喜京橋店 料理長 大日向勝弘