寒い時期の鍋は格別です
空は深く澄み渡り、さわやかな季節となりましたが、皆様におかれましては健やかにお過ごしのことと存じます。本日は、鍋料理についてお話させていただきたいと思います。
鍋料理について
鍋料理(なべりょうり)は、惣菜を食器に移さず、調理に用いた鍋に入れたままの状態で食卓に供される日本の料理のことです。鍋物(なべもの)、あるいはただ鍋(お鍋)と呼んで指す場合もあります。複数人で鍋を囲み、卓上コンロやホットプレートなどで調理しながら、個々人の椀や取り皿あるいはポン酢やタレなどを入れた小鉢(呑水という)に取り分けて食べるのが一般的です。特に冬に好まれます。
通常は複数人で囲んで食べるため一抱えほどの大きさの鍋を用いるが、宴会や会席料理では小鍋で一人前ずつ供される事もあります。一人用の鍋も市販されており、これを用いる場合は椀などに取り分けず、鍋から直接食べます。
鍋料理で、肉、魚などにそえて煮るネギその他の野菜を「ざく」ということがあります。
鍋料理の歴史
近代以前の日本の住居には、台所にある竈(かまど)とは別に、調理のほか照明や暖房を兼ねた囲炉裏が用意されることが多く、そこで煮炊きした料理を取り分けて食べる事は日常的に行われていたそうです。調理された煮物を各々に配膳せず鍋のまま供する方法は17世紀の中頃に記録に現れ始めます。18世紀後半になって、囲炉裏の無い町屋や料理屋で火鉢やコンロを使用した『小鍋仕立て』という少人数用の鍋が提供され、鍋から直箸で何人かがつつくという現代見られる鍋料理が発達しました。 しかし、小鍋仕立ては竈神信仰や銘々膳、箱膳による食事スタイルなど、それまでの社会的習慣と相容れないものであり、一般の家庭には浸透しなかったそうです。
その後明治に入ってからの牛鍋の流行やちゃぶ台の普及などにより、鍋料理は一般家庭への普及がみられました。調理の近代化が進み調理の熱源が木質からガスなどに転換するにつれて、加熱をしながら食べるという方式は飲食店での提供が主となったようですが、カセットコンロなどの発明と普及により、再び家庭でさかんに鍋料理が食べられるようになっています。
鍋料理に使われる鍋
日本の鍋料理に使用する鍋として、最もポピュラーなのは陶器製の土鍋です。土鍋は熱伝導性が低いため火がじっくりと通り、長時間の煮込みでも焦げ付いたりする危険性が低いために鍋料理に適しており、寄せ鍋をはじめとして、多くの鍋料理に対して用いられます。具材を煮込む前に焼く工程があるすき焼きなど、土鍋には向かない調理法がある場合は鉄、ステンレスなどの金属製の鍋(金属鍋)が使われます。もちろん、通常土鍋が使われる料理を金属鍋で代用することも可能。最近の電磁調理器の普及に伴い、それに対応した土鍋風ホーロー鍋なども販売されています。また、ジンギスカン鍋、フォンデュなど、それ専用に作られた独特の形状の鍋を使用する料理も多いです。
変わったところでは、主に日本料理において使われる「紙鍋」という技法が存在します。これは、耐水加工をした和紙を器の形にしてスープと具材を盛り、下から直火で炙って鍋にするもの。紙が中に入れた水(スープ)の沸点である摂氏100度以上に熱せられず、燃える温度に達しないためにこのような技法が可能です。見た目の優美さ、和紙が具材のあくを吸うためあく取りが不要であることなどのメリットがあるほか、容器を使い捨てに出来ることから、大人数による宴会などでの卓上鍋として用いられることが多いです。
キムチ鍋や、もつ鍋、アンコウ鍋に、すき焼きなど様々な鍋料理で体を温めてみてはいかがでしょうか。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。