ブログ京橋店

2019.8.31

土瓶蒸し

連日厳しい暑さが続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。

今回は土瓶蒸しについてお話をさせて頂きます。

少し早いですが土瓶蒸しと言えば松茸や鱧などの具を出汁が入った土瓶で蒸す秋の定番料理です。

松茸、鱧以外にも海老、銀杏、三つ葉等を入れると美味しく仕上がります。

 

土瓶蒸し土瓶蒸しの召し上がり方ですが出汁の香りを愉しむ為、お猪口に出汁を注いだらまずは芳醇な香りを楽しみます。上品な出汁と松茸その他の具材の風味を味わいます。

酢橘(スダチ)も添えてありますが、まずは搾らず出汁を頂きます。

次に添えてある酢橘を搾ります。搾り方ですが大半の人は酢橘の切り口(身)を下にして搾る方が多いと思います。実は柑橘類というのは皮のほうに香りが強いのです。なので切り口(身)を上にして搾り、酢橘の皮を辿って滴り落ちる液がとても香りが良いのです。

酢橘を搾ったら蓋を閉じ、5~10秒ほど蒸らします。そして再度、出汁を味わって変化を楽しみます。

次にようやく具材を頂きます。そのまま箸で具材を召し上がったりお猪口を取り皿代わりに使い具材を召し上がります。時には出汁を楽しみ、具材も頂きます。

食べ終わったら土瓶を元に戻すのが綺麗なマナーである召し上がり方です。

土瓶蒸し

土瓶蒸しの作り方をご紹介させて頂きます。

材料→松茸、鱧、海老、銀杏、三つ葉

 

出汁→塩、淡口醤油、酒

 

まず、お吸い物の出汁(吸地)を塩、淡口醤油、酒で味を調えます。次に土瓶の中に三つ葉以外の材料を入れます。次に土瓶に吸地をはります。ここで土瓶の温め方ですが蒸し器に入れて蒸すやり方と直火にかける方法があります。直火にかける方法ですが出汁が吹きこぼれてくる場合がありますので火傷にご注意ください。

最後に仕上げの三つ葉を入れたら土瓶蒸しの完成です。

 

ここで念頭に入れて頂きたいことは日本料理は引き算の料理です。引き算とは引き仕事の事であって、出汁を取る出汁を漉すのではなく出汁を引く、煮物等の灰汁取りを和食業界では灰汁引き、魚の生臭みを取り除くのは湯引き、造里(刺身)を引く皮を引く、素材食材を引き出す、調理工程で余分な物を取り除くというように日本料理ではたくさんの引き仕事があります。

修業時代に親っさん(師匠)に「日本料理は引き算だ」とよく言われました。

これは今でも1番念頭に入れております。

 

いかがでしたでしょうか。ご清覧誠にありがとうございました。

 

京橋店料理長   越智健介

 

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