ブログ銀座三丁目店
鮪~まぐろ~について
恭賀新年
昨年中は格別のご用命を賜り厚く御礼申し上げます。
皆様、お正月はいかがお過ごしでしたでしょうか?
私は実家に帰り仕事の経験を生かして、お雑煮、栗きんとん、当店自慢の特製出汁を真似し
豚しゃぶ等を作り、集まった親戚に大変喜ばれました。
料理の仕事をしてて大変良かったと実感した瞬間でした。
さて、本題に移りますが、毎年築地の初競りは1月5日に行われるのですが、その中でも1番の目玉と言えば、「鮪」の初競りです。ニュースなどでご覧になる方も多くいらっしゃるかと思います。
今年2017年の鮪はといいますと、青森産大間の本鮪が1番鮪になり、7420万円もの値がついたそうです。【1キロあたり35万円】
これは、記憶にあるとは思うのですが2013年に1億5540万円ついた年の次に高い金額です。
今回はそんな鮪をご紹介したいと思います。
〈鮪の歴史〉
鮪は、古く昔の縄文時代から人間に食されていたとの記録もありますが、本格的には江戸時代の頃から食べられてきた魚です。
ですが、当時は庶民ですら食べるのが恥ずかしいと言われており、「赤身」の方が価値があり、「トロ」の部分は捨てられていたそうです。味もそうですが、品質的にも「トロ」の方が腐りやすかったのも理由のひとつです。
その後明治以降から濃口醤油が生み出されたことで、「漬けにしたら本当は美味しいのではないのか」と誰が言ったか定かではないのですが、鮪は美味いとされ寿司屋さんにも並ぶようになったそうです。
今では、冷凍保存の技術のおかげで「トロ」ももちろんおいしく食べることができていますね。
そんな鮪にも最近養殖があり、2002年に近畿大学が完全養殖に成功、2007年には販売し、それを導入して飼育、出荷している鮪養殖業者も増えてきているそうですよ。
〈天然鮪と養殖鮪の違い〉
天然鮪と養殖鮪の違いですが、一番は「コク」と「深み」だと思います。
天然物には「コク」があり、口に入れた瞬間の旨みと、飲み込んだ時に鼻から抜ける風味が特徴です。
養殖物の特徴は脂が強く、口に入れた瞬間の舌触りが良いのですがあまり深みを感じる事ができません。
〈鮪の消費量〉
私たち日本人の食卓にはとても馴染みの深い鮪ですが、やはり世界でみたときも日本での消費量は全体の30パーセントを占めているほど人気の高い魚です。
近頃では、日本だけではなく、台湾や中国などでも鮪の人気が一気に高まっているという話題をきいたことがあるのではないでしょうか。供給量が需要を下回り、問題になりつつもあるのが現状です。
〈鮪の種類〉
では最後に鮪の種類と特徴を書いて終わりにしようと思います。
クロマグロ【本鮪】
「まぐろの王様」と言われ鮪の中でも最高級品とされています。大トロが多く味、色両方
濃いので寿司に向いています。
ミナミマグロ【インドマグロ】
ニュージーランド、シドニー沖の低水温の海域で獲れます。
脂が乗っていることから高級鮪として扱われ、寿司屋さんや料亭で良く扱われます。
メバチマグロ
生産量が最も多い鮪です。身質が柔らかく刺身に向いています。
目玉が大きくパッチリしていることから「目鉢【めばち】」と呼ばれています。
キハダマグロ
体系がスマートなのが特徴で、赤味のあっさりした味わいが楽しめます。
肌が黄色い事から「黄肌【きはだ】」とよばれています。
ビンナガマグロ
世界中の海に広く生息しています。
身質が柔らかく、比較的に他の鮪に比べ安いためシーチキンの原料として広く使われています。長い刀状の胸ヒレを「鬢」に例えて「鬢長【びんなが】」と呼ばれています。
以上になります。
鮪を召し上がりたい際にも、ぜひ当店にお越しいただければと思います。
それでは、本年もよろしくご愛顧の程ひとえにお願い申し上げます。
瓢喜銀座三丁目店 料理長 石井学