ブログ銀座三丁目店
秋の味覚を堪能しよう。
朝夕は肌寒さを感じる様になりましたが、いかがおすごしでしょうか。
私事ですが、お祭りのシーズンも終わり、お会式のシーズンとなりました。(お会式とは、宗祖等の命日に合わせて行われる大法会(祭り)のことです。俳句においては日蓮宗のお会式から秋の季語とされています。)
お会式も全身を使うので、筋肉痛が激しくなっております。
さて、今回は秋ならではの食材を紹介しようと思います。
サツマイモ「薩摩芋」
甘い芋なので甘藷。また中国から沖縄の宮古島に最初に伝わったので、唐芋、琉球芋とも呼ばれています。
野菜中、糖質が最も多く、ビタミンCやE、ミネラル、繊維質も豊富に含みます。
種類は多く、現在、広く出回っているのは、紅あずまや紅小町といった、皮が赤く、甘くホクホクとした粉質の品種です。
同じ赤い皮でホクホクの仲間には高系14号もあります。
昔からの品種で、品質がよいことで有名なのは紅赤。きめ細かい肉質と甘味が強いのが特徴で金時ともいいます。
新芋は7月頃から出回りますが、おいしいのは秋から翌年の春にかけて。
特に貯蔵して水分が減ったものは甘味を増して美味しいです。
カキ「柿」
原産地は日本を含む中国など東アジアとされ、学名にも「カキ」の名が使われます。
アメリカや豪州、南欧などでも栽培されているが甘柿は日本の特産でもあります。
柿は北海道を除く全国でそれぞれ個性あるものが作られます。
柿がいつ頃から食べられ始めたかは不明ですが、砂糖のない時代には貴重な甘味の一つでありました。
種類は大きく甘柿と渋柿に分けられ、温暖な地方では甘柿、寒い地方では渋柿が育ちます。
甘柿は未熟時には渋いですが熟すに従い渋が抜け甘味が強くなる柿です。
渋柿は熟しても硬いうちは渋が残る柿で、平核無(ひらたねなし)、甲州百目(こうしゅうひゃくめ)などが代表品種です。
熟柿(じゅくし)干し柿、渋抜きしたものが出回ります。
カツオ「鰹」
江戸っ子が好んだ「初カツオ」は北太平洋で豊富な餌を充分にとり、秋に南下してきます。
これが秋に美味しい、脂ののった「戻りカツオ」と言われるものです。
「女房を質に入れても」というほど好きな方はカツオにこだわりますが、鮮魚として食べるのは全体の2割程度となっています。
ハガツオやソウダガツオは、鰹節や缶詰に加工されることが多いです。
9月には三陸沖を通過する親潮ガツオ。
「戻りガツオ」の中でも脂ののりが抜群で、コクのある刺身が楽しめます。
サンマ「秋刀魚」
鮮度が良く脂ののった秋刀魚は刺身でもコッテリとし美味しいですが、私の中では塩焼きにした方が最高に美味しいです。
炎が立つほど脂がのった秋刀魚は秋のイメージそのものだと思います。
ほろ苦い腹わたの味にまでこだわるひとも多く、大衆魚に王様的存在となっています。
食用としての歴史は案外浅く江戸時代になってからです。
季節感を大事にした江戸の庶民文化が育てた味と言っていいです。
最近は高級化したと言われていますが、価格だけ見ると決してそうとはいいきれず、「安くて美味しい魚」イメージをしっかり守っています。
サバ「鯖」
少し生臭いような独特の香りが鯖の持ち味で輸入物はこの点が物足りません。
秋から冬にかけて美味しくなるのは、産卵を終えて猛烈に餌を食べ始めるためです。
良い餌の多い日本近海が美味しい鯖の漁場になります。
魚のうまみ成分は時間がたつと有毒物質に変わります。
鯖はこの成分が極端に多く、美味しい鯖ほど「生きぐされ」しやすいともいえます。
蕁麻疹が出るから鯖を敬遠する人もいますが、新鮮なものなら心配ありません。
秋の味覚を説明すれば、きりがないのでここまでとしておきますが、他にも銀杏、浅利、梨などたくさんあります。
当店では、秋の味覚を多数扱った献立を作成しております。
是非、秋の味覚を味わいたいと思いましたら当店へお越し下さいませ。スタッフ一同でお待ちしております。
瓢嘻銀座三丁目店 料理長 石井学