ブログ銀座三丁目店
発酵について
春風が心地よい季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか?
私は地元の桜祭りの運営を手伝わせていただいて、いらっしゃった方々にはとても喜んでいただき、大変嬉しく思っています。
発酵食品について
さて、今回は「発酵」についてお話しさせて頂こうと思います。皆様は「発酵食品」という言葉を聞き何を思い浮かべるでしょうか?
醤油、味噌、パンなどは皆様ご存じだとは思います。それとは別に、我々日本料理に携わってる人間にとってとても大事な出汁に使われる“鰹削り”も“鰹節菌”というもので「発酵」して出来ています。私達の生活は「発酵」に支えられているといっても過言ではありません。
しかし、いざ細かく「発酵」を説明しようとすると難しくなってしまいますので、今回はやや簡単にご説明しようと思います。
そもそも「発酵」とは一体何なのでしょうか?簡単に言うと、微生物の動きによって物質が変化し、人間にとって有益に作用することを言います。微生物という目に見えない小さな生き物が働いた結果が発酵です。発酵を行う微生物の事を総称して「発酵菌」といいます。発酵菌は、発酵中に香り成分や新しい味わい、色、栄養価を作り出します。その成分がとても美味しく、そして健康にもよく、食品の保存性も高まるため、私達人間は古くから発酵食品を作って摂取してきました。
発酵食品の歴史はとても古く、世界には様々な発酵食品が溢れています。
それでは、世界各国、日本の有名な発酵食品を説明しようと思います。
〈世界の発酵食品〉
・シュールストレミング(スウェーデン)
塩付けにしたニシンを缶の中で発酵させた物。世界で一番臭い食べ物と言われています。
・ホンオフェ(韓国)
エイの身を壷に入れて発酵させた生食用の魚の発酵食品。全羅南道(チョルラナムド)という地域では、結婚式には欠かせない料理として食べられてきました。
薄くスライスしそのまま刺身で食べたり、豚肉やサラダ菜などに包んで食べます。強いアンモニア臭がして、世界で二番目に臭い食べ物として有名です。
・アンチョビ(イタリア)
鰯を塩付けして発酵させた後、オリーブオイルなどと一緒に漬け込みます。キャベツと一緒に炒めアクセントで唐辛子を少し入れるとお酒のいいつまみになります。
・メンマ(中国)
麻竹と呼ばれるタケノコを土の中で乳酸発酵させて作ります。
〈日本の有名な発酵食品〉
・かんずり(新潟)
唐辛子を塩漬けした後、米麹と一緒に発酵させます。辛さの中にも甘味と旨味のある調味料です。鍋の薬味や料理の隠し味として使用します。
・ふぐの卵巣の糠漬け(佐渡)
猛毒のふぐの卵巣を2年以上、塩を糠に漬け込む事で毒が抜けます。毒の抜けるメカニズムの詳細は、まだ解明されてないそうです。
・べったら漬け(東京)
大根の甘酢漬け。塩漬けした大根を、甘酒に漬け込み発酵させたものです。
・いかなご醤油(香川)
いかなごという魚を塩漬けして出た魚醤の一種。しょっつる(秋田)いしる(能登)と並んで日本の3大魚醤と呼ばれています。
・かぶら寿司(金沢)
塩漬けにした鰤を蕪の間に挟んで、米麹と一緒に発酵させた熟寿司の一種です。
このように、日本は気温・湿度などの発酵に適した気候に恵まれた、世界でも有数の発酵大国です。日本の発酵食品の特徴は「麹」を用いた発酵です。
麹とは、蒸した米、麦、大豆などの穀物に麹菌という微生物を繁殖させた加工品です。味噌、味醂、酒、醤油、酢、麹によって日本の味が出来ているといっても過言ではありません。日本各地には、麹を使った伝統的な発酵食品が多数存在します。その他、納豆や漬物、鰹節など日本の発酵食品文化は非常に発展しています。
当店では、造里に使う醤油にもこだわり、厳選された物を使用しております。
ほかにも、しゃぶしゃぶ・すき焼きなど多数の料理をご提供しています。
ご利用シーンに合わせて是非ご利用くださいませ。スタッフ一同心よりお待ちしております。
瓢嘻銀座三丁目店 料理長 石井学