ブログ銀座三丁目店

落ち鮎は塩焼きが最高

落ち鮎(おちあゆ)という魚をご存知でしょうか?鮎は日々の食卓に頻繁には並ぶことのない魚かもしれません。子供の頃、山奥にあるレジャープールへ行き、帰りに釣り堀に寄るのが我が家のお決まりコースでした。そこで食べる鮎の塩焼きがまぁおいしかったこと。塩がたっぷりと振られていて、皮はパリパリ身はしっとり、焼き立ての鮎をハフハフといいながら頬張ったことは、忘れることのない夏の思い出です。本日はそんな鮎の中でも、落ち鮎についてお話させていただきたいと思います。

落ち鮎とは

鮎

鮎と言えば、さわやかな初夏の訪れとともに旬を迎えるイメージがあると思います。柳の葉のようなスリムな形をしていて、その身からはスイカに似た香りがするため「香魚」と呼ばれることもあります

北海道から沖縄まで全国に生息し、澄んだ清流を好み濁った水中では生きられないため、鮎が棲むということはその水がきれいだということを表します。また、鮎は1年で命尽きることから「年魚」とも呼ばれます

鮎の名の由来には諸説ありますが、秋に川を下る様子から、「落ちる」の古語である「あゆる」が転じてついたとも伝えられています。正岡子規の詩でも「落鮎(あゆ)の身をまかせたる流れかな」とうたわれるなど、鮎は秋の季語としても使われています。

夏に獲れる鮎は、身が引き締まりみずみずしく、淡泊な味わいの中に甘みもあります。そんな旬の鮎とはまた違った味わいを楽しめるのが秋に獲れる落ち鮎です

鮎は海に近い河口付近で生まれ、一度海に出て稚魚となり、やがて春になると川の上流へ向かって上りながら成長します。そして風が冷たくなり秋を迎えるころになると、産卵するために再び海を目指して川を下り河口付近で産卵します。落ち鮎とは、秋の産卵期に川を下ってきた鮎のことをさします

腹に卵をもち、体色は変化し鉄サビのような色になることから「さび鮎」とも呼ばれます。繁殖期である為あまりエサをとらず、メスはそのうえ卵に養分を奪われ、オスメス共に痩せています。しかし、落ち鮎は身の締まりや甘みに成熟したうまみが加わり、夏に旬を迎えた鮎とはまた違った魅力があります

 

落ち鮎の食べ方

鮎の食べ方として刺身(洗い・背越し)塩焼き、骨酒、寿司、うるか等があります。

・刺身

鮎は横川吸虫という寄生虫の中間宿主であり、食品安全委員会は生食は薦められないとしているそうです。刺身にする際は、旬の鮎を冷水で身を締め、洗いや背越しにします。背越しとは骨の柔らかい鮎の特徴的な調理方法で、ウロコや内臓を除去したのち骨や皮ごと薄く輪切りにしたもので、清涼感のある見栄えや独特の歯ごたえを楽しみます。酢や蓼酢などで食することでも鮎の香気を味わうことができます。

・塩焼き

鮎の代表的な食べ方として知られている塩焼き。夏の鮎は独特の香気を味わい、秋の落ち鮎は腹子(卵)を味わうとされています。その味わいは、プチプチとした食感が口に広がり、身と卵が混ざり合うことで淡白な味わいに幅が出ます

・寿司

酢や塩に浸け酢飯と合わせて発酵させる「鮎寿司」や、「姿寿司」「押し寿司」、「柿の葉寿司」「笹寿司」などを作る地方があります。JR京都駅の名物駅弁ともなっていますね。

・ウルカ

鮎の腸を塩辛にした「ウルカ」は、珍味として喜ばれます。ウルカを作るには、腹に砂が入っていない(空腹になっている)夜間・朝獲れの鮎が好しとされていますが、どの時期の鮎でも作ることはできる。しかし、落ち鮎でなければ作れないのが「子ウルカ」です。鮎の腹を割き、メスは卵を、オスは精巣を取り出して混ぜ合わせ塩で漬け込みます。カボスを絞った乳白色の子ウルカは、山芋のとろろにたらこの粉々した感触を混ぜ合わせたような食感で、塩が卵と精巣の生臭さを消しており、酒党でなくても食べやすい。新鮮な鮎でしか作れないため地元に行かないと中々出会えない一品とされています。

・その他、天ぷらにしたり、塩焼きにした後に残った骨をさらに炙り熱燗の日本酒を注ぐ骨酒にすることもできます。

秋の産卵が終わると死んでしまう鮎。落ち鮎の味わいには、その短い一生分のうまみが凝縮されているように思えます。夏の鮎と落ち鮎とで食べ方が大きくは変わらないようですが、中でもそれぞれ違う風味が味わえる塩焼き、落ち鮎でしか味わうことのできない子ウルカはぜひ一度食してみたいものですね。

 

鮎

鮎の養殖

鮎の養殖業の経営体は1960年代から徐々に増え始め、高度経済成長期の需要増の波に乗り生産量は急激に伸び、1970~1990年代にかけてその数は飛躍的に増加しました。この頃になると、養殖池はコンクリートで整備され、用水も伏流水が多く使われ、ポンプなどを使うことにより池の中でも川のように流れを作り出すことが出来るようになりました。それに伴い生産量も着実に増えていき、内水面における大きな産業にまで成長しました。

その後、食の多様化や魚食文化離れなどを理由に一時よりは生産量が大きく減りましたが、河川文化を伝える旬の魚として和食のみならず、洋食や中華、またバーベキューなどの食材として国内だけでなく海外にも広く使われています

鮎

 

いかがでしたでしょうか?日々の食卓では中々味わうことの出来ない鮎ですが、お店に出向いてでも食べたいと思える魅力に溢れた食材ですね

当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

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