ブログ銀座三丁目店
冬の代表格の魚。鰤!!!
秋も深まり、日が短くなってまいりましたがいかがお過ごしでしょうか。
私の趣味であるお祭りもシーズンが過ぎ、寂しい気持ちでいっぱいであります。
休みの日は大体、仲間内でお酒を飲んでおります。
さて、今回は冬の代表格の魚。鰤!!!についてお話しさせて頂こうと思います。
・天然物と養殖物の目利きどころ
身体の外見から見ると、養殖物は生簀で育てられているので、胸びれや尾びれの先が生簀の網に当たり擦り切れています。
養殖物の身は天然物の身と比べると、脂肪が多く、身の色が白っぽいので、切り身の状態でも判別は可能です。
また、天然物の鰤が入荷されるのは晩秋から冬で、この時期以外はほとんど入荷されていないので、一般の魚店に並ぶ事はありませえん。
・呼び名
鰤は成長によって呼び名の変わる「出世魚」の代表格で、東京では「わかし」20cm前後、「いなだ」40cm前後「わらさ」60cm前後「鰤」1m以上と変化します。
関西では、10cm~20cmくらいの物を「つばす」と呼んだり、50~60cmくらいの物を「めじろ」と呼んだりしています。
最近では、養殖物をハマチ、天然物を鰤と呼んだりしています。
・漁獲法と利用
西日本、特に関西や北陸地方では東日本の鮭に匹敵する食用魚とされ、祝い事には欠かせない魚となっています。「寒鰤」と呼ばれるように、旬は冬で日本海では冬の走りの荒れた海を「鰤起こし」と呼びます。
定置網や巻き網、釣り、刺し網などで漁獲されますが、天然物は漁獲量が4万t~5万tで、それに対して戦前から試みられている鰤の養殖は1960年以降に急速に発展し今では14万t前後を生産して、真鯛と共に養殖魚種の代表格となっています。
・栄養と効能
天然の鰤と養殖のはまちでは、味にも価格にも歴然とした違いがあるが、栄養価にはほとんど差がありません。
どちらかといえば、養殖はまちのほうに軍配が上がります。
鰤もはまちも、良質のたんぱく質と脂肪を含んでいて、ビタミンでは、糖質や脂肪やたんぱく質が代謝されるときに欠かせないビタミンB群や、カルシウムの吸収を助けて骨や歯を丈夫にするビタミンDが多く入っています。
細胞分裂を助けて細胞を若々しく保ったり、抗酸化作用を発揮して動脈硬化やガンを予防するので「若返りのビタミン」と言われているビタミンEもたくさん含んでいます。
脂肪が多いので、IPAやDHAなどの多価不飽和脂肪酸が豊富です。
両者とも、血液中のコレステロールや中性脂肪を低下させて動脈硬化を予防したり、血栓を出来にくくして心臓血管病や脳血管病を抑える働きをします。
加えてDHAには脳細胞を活性化して痴保を抑制する作用も期待されています。IPAやDHAは非常に酸化しやすい脂質なのですが、鰤には脂質の酸化を抑えるビタミンEが豊富なので、これらの多価不飽和脂肪酸が酸化しにくいです。
なぜか、鰤にはDHAが多く、はまちにはIPAが豊富にあります。
血合いの部分にはアミノ酸の一種、タウリンをたくさん含み、タウリンは旨味成分でもあるので、鰤特有の美味しさを醸し出すのに役立っています。
タウリンは特に血合い部分に多く含まれ、普通は血合い部分は癖があり、あまり好まれないですが、鰤の血合いは刺身でも焼いても煮てもほとんど気にならずに食べる事が出来るので、鰤はタウリンのとてもよい吸収源といえます。
このように鰤には人間の体にとって良い栄養が含んであります。
当店では鰤の刺身をはじめ、塩焼き、照り焼き、鰤大根、鰤しゃぶ又はお客様のご要望に沿って出来る限り期待に応えようと思います。
皆様のご来店スタッフ一同お待ちしております。
瓢嘻銀座三丁目店 料理長 石井学