ブログ銀座店
鰹節の血合い、ありと抜き
みなさま、「鰹節」には、血合い抜きのものと血合いありのものがあることをご存知でしょうか?
本日は、「鰹節の血合い」についてお話しをさせていただきたいと思います。
鰹節の血合いとは
鰹節には、赤身の部分と血管の多く通った赤黒い「血合い」部分があります。
そして、その鰹節から血合部分を取り除いたものが「血合い抜きの鰹節」になり、抜いていないものが従来の「鰹節」と呼ばれます。
血合いは、魚の背中の身とお腹の身の間にある赤色筋繊維という細胞が多く集まった部分のことです。
白身の魚にも血合いはあるのですが、赤身の魚の方が多く存在します。
この部分には、赤色の色素たんぱく質が多く含まれており、そのため他より赤く見えます。鮮度がいいうちは、鮮やかな赤黒い色、時間が経つにつれて黒く変化していきます。
この血合い部分には、血管が集まるため、鮮度がよくないと生臭さを感じてしまう部分ではあります。
とても、鉄やビタミン、タウリンなどの栄養が豊富に含まれているので、栄養価の高い部分なのですけれども・・・。
魚嫌いの方など、なかなか召し上がっていただけないのではないでしょうか?
鰹節の血合いを抜く理由
鰹節の血合い部分のあるなしは、味を大きく左右します。
血合いは、料理のコクになります。
普通の血合いありの鰹節で出汁を取ると、鰹出汁としての強い風味を味わることができます。
ですが、魚臭さや渋み、出汁の濁りの原因にもなります。
一方、鰹節血合い抜きで出汁を取ると、鰹の雑味や臭みが抑えられ、すっきりとした透き通った色合いのさっぱりとした味わいとなります。
そうしたことから、普通の「血合いありの鰹節」は、一般のご家庭で、みそ汁や麺つゆ、煮物やおひたしなどに使われていますし、「血合い抜きの鰹節」は、日本料理店などで使われたり、ご家庭のお正月の料理などに使われています。
料理の色彩を活かしたい、甘みのある上品な風味で出汁を取りたいといった時には、「血合い抜きの鰹節は重宝します。
たとえば、お吸い物や椀物、茶碗蒸しなどの素材の味を活かしたい料理や、あんかけなどの素材の色を活かしたい料理に向いています。
「血合い抜きの鰹節」は、薄味の料理に使うことに向いていますので、味噌などの濃い味の調味料を使ってしまうと、良さが失われてしまいます。
そうした時には、「血合いありの鰹節」をお使いになるのがよろしいでしょう。
また、「血合い抜きの鰹節」は、血合い部分を取り除いているため、「血合いありの鰹節」に比べ高価です。ですが、栄養分もたくさん含まれていますので、料理によって使い分けをして、それぞれの鰹節の良さを活かせるのが一番です。