ブログ銀座店
鮟鱇のおいしい季節がやって参りました。
深海魚として有名な鮟鱇(アンコウ)は、鍋料理として美味しくいただける食材の一つですよね。このアンコウは、深海でどのように生息しているかをご存知でしょうか?
本日は、鮟鱇についてお話させていただきたいと思います。
鮟鱇(あんこう)の特徴
鮟鱇(あんこう)は、タラ類の近縁にあたり、アンコウ目はなんと16科300種もあるそうです。しかし、漁業資源となるのは「アンコウ科」に属するものだけとなるので、それほど種類は多くなく、ご存知の通りそのほとんどが深海魚です。
日本では、「キアンコウ」と「アンコウ」が主な食用とされています。キアンコウとアンコウは、それぞれ別の属に分類されていますが、外見がよく似ているため、一般的に市場ではこれらは区別されていません。
アンコウは、頭部が大きく幅が広く、暗褐色から黒色で、やわらかく平たい姿が特徴です。
深海魚であるアンコウは、水深30m~500mの海底に生息し、手足のように変形したヒレを使って海底を移動します。こういったことから、アンコウ目の魚類全体に対して多くの方は底生生活のイメージを持っていますが、アンコウ目のうちチョウチンアンコウなどは深海域の150m~2500mの比較的に中層域に生息し、一方ではハナオコゼのように表層に生息している種類のものもいます。
アンコウの摂餌法は、「擬餌状体」という誘引突起による待ち伏せ型の方法です。肉食性で口が大きく、歯が発達しているため海底に潜んで他の魚を襲うのに適しています。そして、頭にはアンテナ状の突起が2本あり、その長い方には皮がついています。
あまり知られていないかもしれませんが、アンコウは泳ぎが下手なのです。ですので、泳ぎの上手な魚を追い回しても逃げられてしまうため、海底の砂の中にもぐって、その突起の皮で水面を揺らし、これをエサだと思って寄ってきた魚を捕食するように進化したのだと言われています。
アンコウは、主に小魚やプランクトンなどを捕食しますが、種によっては小さなサメやスルメイカ、カレイ、蟹、ウニ、貝などを捕食する種もあります。さらに、水面に出て海鳥を襲うこともあり、食べるためにアンコウを解体してみたら、胃の中にカモメやウミガラス、ペンギンなどが入っていたという驚くべき報告もあるそうです。
アンコウの体長は大きなもので2m近く、60kg近くもの重さの「ニシアンコウ」という種も存在しています。
食材としての利用
アンコウは、江戸時代の頃は「三鳥二魚」と呼ばれる5大珍味の1つで、歴史的にも名高い高級食材の一つです。
淡白で低カロリーなアンコウですが、アンキモにはビタミンAやビタミンB12、ビタミンD、DHA、EPAなどといった栄養素が豊富に含まれています。
アンコウを使用したお料理で一般的な「あんこう鍋」は、茨城県の平潟や常磐路のあんこうとして大洗町などが有名です。
体全体が柔軟性に富んでいて、粘りがあるのが特徴のアンコウは、普通の魚と異なり「吊るし切り」というアンコウ独特の方法で捌かれます。
柳肉(身肉、頬肉)の他にも、皮や水袋と呼ばれる胃、キモ(肝臓)、ヌノ(卵巣)、えら、トモ(ヒレ)が食用とされ、「七つ道具」と呼ばれている全てがアンコウ鍋に入っていますが、それぞれ異なる味と歯応えを楽しむ事が出来ます。
鮟鱇は、非常にヘルシーでありながら美味しく食べることのできる食材ですので、是非召し上がっていただきたい食材の一つです。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。是非一度当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店心よりお待ちしております。