ブログ銀座店
秋の刀魚(さんま)について
木枯らしの舞う季節となって来ました。
皆様如何お過ごしでしょうか?
今回は秋の刀魚、さんまについてご紹介いたします。一般家庭に強く根付いている秋刀魚ですが、詳細をご存知の方は少ないかと!
◆さんまの形と生活
全長35cm。体が刃状のところかた秋刀魚と表記されているようです。
背びれや腹びれが体の内部より後方に数個の離れた小さなヒレ(リキ)があります。
沿岸から沖合いの表層に住んでいる魚で、産卵期は長期にわたり、春と夏に盛期があります。
産卵数は2万個以下となっており、卵はやや歪んだ卵形で2mm弱です。
表面の2箇所に付着糸があり、これで海面の浮遊物に絡まります。コペポーダなどの動物プランクトンなどを食べて生息しています。
◆漁獲法と漁場
沿岸か沖合い域で操業される棒受網で、走行性を利用し夜間集魚灯で船の近くにさんまを集めて漁獲します。少量は沿岸の定置網でも漁獲されます。
産卵場は本州の中部以南の沖合で、秋に生まれた個体は本州の沖合いを北海道東方沖まで北上します。
1年後の秋の漁期には全長30cm前後まで成長し、漁獲対象となるころ再び南下を開始し東北沖で漁獲されます。
本州北部の沿岸を南下するものは脂がのり美味ですが、中部以西の沿岸で漁獲されるものは脂肪分が少なくなります。
◆食べ方
脂ののった旬のものなら、塩焼きが一番です。
わたのほろ苦い味も大人になってからは美味しく感じます。その他に蒲焼きや時雨煮、甘露煮などにも調理されます。
◆秋刀魚の栄養と効能
たんぱく質よりも脂肪のほうが多いというとても珍しい魚です。
秋刀魚の脂肪は季節による変動が大きく、8月や9月(旬)には体脂肪率が20%を超えてきますが、11月や12月には数%にまで減ると言われています。
※魚はメタボリックのほうが好まれるようです。
昨今冷凍技術の発達した今日では、脂肪ののった旬の時期の秋刀魚を冷凍保存して、それを1年中販売していますので、つねに脂ののった秋刀魚を食べることができます。
※技術の進歩は素晴らしいですね!
秋刀魚はイワシや鯖と並ぶ典型的な【青背魚】です。
生活習慣病を予防すると注目されている不飽和脂肪酸を豊富に含んでいます。
秋刀魚1尾は可食部がほぼ100gとなりますが、秋刀魚を1匹食べると、DHAを1398mg、IPAを844mg摂取することができます。
DHAは血液中のコレステロールや中性脂肪を減らして高脂血症を改善したり、脳細胞の働きを活発にして痴呆症を予防する働きもあると期待されています。
IPAは血液を固まりにくくして脳卒中や心臓病を予防するといわれています。
近年では、DHAやIPAにはがんにかかりにくくしたり、がんの転移をふせいだりする働きもあると言われるようになりました。
ビタミン類では、赤血球を作り出して貧血を防ぐビタミンB12、カルシウムの吸収率を高めて骨を丈夫にするビタミンDが豊富です。
ミネラルでは、鉄、銅、亜鉛などをバランスよく含んでいます。
秋刀魚の内蔵は特有の苦味があって【魚好き】の人にとくに好まれます。
ビタミンA、カルシウム、マグネシウムなど微量栄養素が豊富に含まれているので、ぜひ賞味して頂きたいです。
食材の価値としては栄養素の豊かさだけでなく、価値の安さもきわめて重要です。
大衆魚の代表であるいわしの価格が高騰している今、1年中安価に提供される秋刀魚は、安くて栄養豊かな【大衆的青背魚】の代表といえるでしょう。
今回は秋刀魚のご紹介となりました。秋の代表的は魚です。個人的には、骨までばりばり食べられる干物が好きですが、秋刀魚の塩焼きのわたの部分も捨てがたいですね!
いつもご愛読いただきありがとうございます。次回もお楽しみに!
瓢喜銀座本店 松本