ブログ銀座店
春の訪れ 菜の花は大人の味覚
「菜の花」のほろ苦さとみずみずしくやわらかい食感は、春の訪れを告げてくれます。
黄色くて可愛らしい花を咲かせる菜の花で春を味わってみませんか?
本日は、菜の花についてお話をさせていただきます。
俳句では晩春の季語「菜の花」
俳句では、菜の花は晩春の季語となっています。
菜の花が開花する季節は、大体2月から5月頃ですので旧歴の3月の晩春の頃と一致いたします。
小林一茶の俳句に
菜の花のとつぱづれなり富士の山
という句があります。
菜の花が一面に広がっていて、その一番端の方には富士山が小さく見えているといった句です。
当時は、本当に黄色い菜の花のみが視界に広がる中、青空の上に雪を上にいただいた富士山が浮かんで見えるように見えたのでしょうね。
菜の花とは?
実は「菜の花」という種類の植物はないのです。
アブラナ科の植物の花の総称で、アブラナ科の花はみんな「菜の花」なのです。アブラナ科の野菜というと、キャベツ、ブロッコリー、ハクサイ、カブ、ダイコン、コマツナ、ミズナ、チンゲンサイなどをいいます。
ですが、一般的には「菜の花」と言えば、春に旬を迎えるアブラナ科の苦味のある野菜のことをさします。
冬野菜の多くは、アブラナ科で、春が近づいてくると、花茎(かけい)を伸ばし、花を咲かせて子孫を残す準備を始めます。
この花茎のことを「董(とう)」といい、これが伸びてくることを「とうが立っている」と言います。
「とうが立っている」というのは、女性の年季が入って年頃を過ぎてしまった様子や瑞々しさの失われた様子を形容する表現としても使われますね。
これは、薹が伸びると硬くなり、食べ頃を過ぎてしまうということから使われた表現のようです。
野菜の場合はとうが立つようになると、そちらにエネルギーをすべて注ぐため、大根やかぶなどの根の部分はスカスカになってしまい、葉の部分は固くなってきてしまいます。
ブロッコリーがつぼみの部分を食べるように、菜の花は花のつぼみと若葉、茎を味わいます。
花が咲く前のつぼみには、特に栄養がたっぷりと含まれています。
花が咲いても食べることはできますが、苦味が強くなったり硬くなったりします。
できるだけ、花が咲き始める前に食べるようにしましょう。
菜の花は、1年で春しか食べられないものです。
野菜がエネルギーを注いだ力が詰まっているので、カロテン・ビタミンB群・ビタミンC・カルシウムなどが豊富です。
菜の花の独特の苦みは栄養の証
独特の苦味が子どもの頃には、苦手に感じましたが、大人になってからは逆にそのほろ苦さこそが美味しいと感じるようになりました。
日本では昔から、“春の皿には苦味を盛れ”と言われています。
菜の花の苦み成分であるアルカロイドやポリフェノールには、新陳代謝を促したり体内の毒素を排出する効能があると言われています。
つまり寒暖差で体調を崩しやすい時期に、体にいい成分が含まれているからなのです。
ぜひ春ならではの菜の花を積極的に召し上がってみてください。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
是非一度、当店自慢の料理をお召しあがりになってみてはいかがでしょうか。
皆様のご来店、心よりお待ちしております。