ブログ銀座店
大衆魚じゃない関サバ
木枯らし舞う季節となってきましたが、皆様如何おすごしでしょうか?
家庭料理の定番として、サバ料理は浸透していますが、サバにもブランドがあります。
ブランドサバの代表格とも言える関サバについてご紹介致します。
サバの概念が変わった!
数をごまかすことを【さばを読む】といいますね!昔商売人が漁師さんからサバを買い入れる際に、わかりにくい符丁で数を数えて数量を偽ったことから【さばを読む】なんて言葉が広まったそうです。
そんなことができる程サバは大量に漁獲される大衆魚でした。さばの概念ががらりと変わったのは、ブランドの関サバが登場したからなのです。
なんと銀座のお寿司屋さんで一貫2,000円の値がついたこともあるのだとか。
関サバの関とは?
関サバの関は佐賀関漁港の関なのです。佐賀関産サバ、略して関サバです。関サバを全国ブランドにしたきっかけとして、昭和63年に同漁協が魚の買い取り販売事業に進出したことにあるといいます。
漁協が仲買人と競争し、漁師から魚を買い取って販売します。全国的にとても希少なケースで、抵抗や摩擦もすくなくとても良質な状態のサバだったのでしょう。
浜値の安定をめざすという大きな目的はあったものの、漁協には販売ルートがなく、ゼロからの出発だったそうで何回か全国販売キャンペーンを展開してポスターに【関サバ】のブランド名を初めて使ったそうです。このことがマスコミに取り上げられて関サバの名を広める大きな一歩となりました。
関サバの味
知名度がいくらUPしても肝心のサバが美味しくないと今程のブランドに育つわけはありません。
関サバがとても美味しい魚になる要因として何点かあげられます。
要点その1
漁場の別府湾南部海域にある南から流れてくる黒潮と栄養たっぷりの瀬戸内海の海水が混ざり合い、魚の餌になるプランクトンが多く発生することです。
さらに、別府湾南部海域の中でも、関サバの主な漁場である速吸瀬戸は、瀬戸内海と太平洋の潮が激しくうずまきます。この潮流で育つので、さばの身がほかより引き締まります。
要点その2
古来から伝わる漁労技術にあります。漁法は一本釣り、これには2種類あります。1つは20本前後の疑似針を結んだ仕掛けを垂直に下ろし、船を止めて釣る方法です。
もう一つは80〜90本の疑似針を結んだ仕掛けを流しながら、船を潮流にまかせて移動しながら釣る方法です。どちら漁法でも、コマセを一切使わないのです。
コマセを使って釣ると海が汚れてしまい漁場の資源が枯渇してしまうことからコマセを使わない漁法でサバを釣ります。
要点その3
釣ったサバは船の生簀に活かして持ち帰ります。海上に設置した大きな生簀に2から3日生かし、落ち着かせてから出荷します。
ここで大事なのが、昨日に釣ったサバと今日釣ったサバとは、同じ生簀に入れることはありません。新しいサバを混ぜてしまうとそれまでの魚が落ち着きをなくしてしまい傷つくことがあるからです。出荷の際には直前に脊髄に包丁を入れて即殺します。
以上3点から関サバが美味しい要因となる理由です。
これだけの手間が掛けられている関サバが美味しくないわけがありませんね。漁師さんや、漁協の方々、仲買人の努力やこだわりが凝縮しているサバこそが、関サバなのです。
最後に
今回は関サバのご紹介となりました。関サバを家庭で購入するとなるとかなり高額になってしまいます。1尾2,500〜3,000円でしょうか?関サバの証明としてはサバのしっぽ部分に佐賀関漁協の魚であることを保証するマーク保証タグがついています。
ご購入の際は要確認です。
次回もお楽しみに!
瓢喜銀座本店 松本