ブログ赤坂店
~7月の料理長ブログ~ 赤坂店
皆さんこんにちわ!
瓢嘻赤坂店の料理長を務めております、石田と申します。
今月も旬の食材や料理についてお話しさせて頂きたいと思います。
まずは鰻についてお話しさせていただきます。
うなぎとは
鰻はウナギ科 (Anguillidae) ウナギ属(Anguilla) に属する魚類の総称でございます。
世界中の熱帯から温帯にかけて分布しております。
二ホンウナギ、オオウナギヨーロッパウナギ、アメリカウナギなど世界で19種類(うち食用となるのは4種類)が確認されております。
泳ぎはさほど上手くなく、遊泳速度は遅いのが特徴でございます。
他の魚と異なり、ヘビのように体を横にくねらせて波打たせることで推進力を得ております。
このような遊泳方法は蛇行型と呼ばれておりまして、ウツボや鱧、穴子などウナギと似た体型の魚に見られる泳ぎ方でございます。
一般的に淡水魚として知られておりますが、海で産卵・孵化を行い、淡水にさかのぼってくる「降河回遊(こうかかいゆう)」という生活形態をとっております。
嗅覚は非常に優れておりイヌに匹敵する程でございます。
日本では奈良時代の『万葉集』に「武奈伎(むなぎ)」として見えるのが初出で、これがウナギの古称でございます。院政期頃になって「ウナギ」という語形が登場し、その後定着したとあります。
うなぎの語源
- 家屋の「棟木(むなぎ)」のように丸くて細長いから
- 胸が黄色い「胸黄(むなぎ)」から
- 料理の際に胸を開く「むなびらき」から
など、いくつかの説がございますが、いずれも民間語源の域を出ておりません。
前二者については、「武奈伎」の「伎」が上代特殊仮名貴ではキ甲類の仮名であるのに対して、「木」「黄」はキ乙類なので一致しないという問題があるし「ムナビラキ」説については「大半の魚は胸側を開くのになぜ?」という特筆性の問題がある上、ムナビラキ→ムナギのような転訛(または省略)は通常では起こり難い変化だからであります。
この他に、「ナギ」の部分に着目して
- 「ナギ」は「ナガ(長)」に通じ「ム(身)ナギ(長)」の意である
- 「ナギ」は蛇類の総称であり、蛇・虹の意の沖縄方言ナギ・ノーガと同源の語である
- 「nag-」は「水中の細長い生き物(長魚<ながうお>)」を意味する。この語根は穴子やイカナゴ(水中で巨大な(往々にして細長い)魚群を作る)にも含まれている
などとする説もございます。
いずれにしても、定説と呼べるものは存在しておりません。
近畿地方の方言では「まむし」と呼ぶこともあるそうです。「薬缶」と題する江戸小咄では、「鵜が飲み込むのに難儀したから鵜難儀、うなんぎ、うなぎ」といった地口が語られております。
また落語のマクラには、ウナギを食べる習慣がなかった頃、小料理屋のおかみがウナギ料理を出したところ案外美味だったので「お内儀もうひとつくれ、おないぎ、おなぎ、うなぎ」というものがございます。
日本では重要な食用魚の一つで、年間11万トンもの鰻が消費されております。
20世紀後半頃には養殖技術が確立され、輸入も行われるようになったとはいえ、野生のウナギ(天然もの)の人気は根強く、釣りや延縄などで漁獲されています。
さらにウナギに的を絞った伝統漁法も各地にございます。
「うなぎ掻き」
棒の先に鉤を付けたものを巧みに操り、ウナギを引っ掛ける
「うなぎ塚」
ウナギの生息域にこぶし大以上の石を積み上げておき、石の隙間に潜んだウナギを捕る。
ほうっておくと泥が詰まりうなぎが入らなくなるため、定期的に組み直す必要がある。
遊漁券も売られている。
「うなぎ筒」
竹筒などをウナギの生息域に仕掛けておき、ウナギが筒の中で休んでいる時に筒を引き揚げて捕る
。筒の片方のみ解放されているもの、両方が解放されているもの、返しがついていて一度入ると出られないものなどがある。
うなぎは新しい匂いのするものには入らないため、新しく作った筒は数週間水没させるか土中に埋める必要があります。
とても奥の深い鰻ですが、代表的な料理としては蒲焼ではないでしょうか?
その他にも塩焼きや、煮物なども美味しく召し上がっていただけるお料理でございます。
当店でも鰻の取り扱いはございますので鰻が食べたいと思ったお客様はぜひ当店にお越しくださいませ。
それでは、長々とお付き合い頂きありがとうございました。皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。
瓢嘻 赤坂店 料理長 石田龍太郎