ブログ赤坂店
秋の味覚 生いくら
皆さま、“いくら”がほぐした秋鮭の卵のことというのはご存じでしょうか?
秋鮭の水揚げ量1位である北海道では、9月、10月が「いくらの旬」です。
今年は、北海道の秋鮭が記録的な不良で、鮭、いくらの値段が2倍にもなっています。
本日は、生いくらについてお話をさせていただきます。
生いくらは、何の卵?
生いくらの親は、秋鮭です。
冒頭にもお話をしたので、お分かりでしたよね?
秋に水揚げされる白鮭(しろさけ)を「秋鮭」と呼びます。
実は、日本で漁をしている鮭はほとんど白鮭だけです。
鮭は川で生まれ、外洋を旅しながら成長し、産卵の時期に故郷の川に戻ります。
日本の川を母川とするのが白鮭だけで、それが帰ってくる時期が秋なので「秋鮭」と呼ぶのです。
秋にメスの秋鮭は、抱卵をしているメスのお腹には筋子がぎっしり。
この筋子の卵巣膜を除いて、一粒一粒ほぐしたものが“いくら”です。
同じ白鮭でも、春から初夏に水揚げされる若い「時鮭」は若い成長段階のため、卵の粒が小さすぎて、いくらにはできません。
実は、“いくら”は秋鮭だけではないのです。
鱒(ます)の卵も、いくらといいます。
特に、今年は秋鮭いくらが高騰しているために、鱒いくらを代用とすることもあるでしょう。
ですが、この2つはよく似てはいるのですが、大きな違いがあります。
粒の大きさが、鱒いくらはかなり小粒です。
北海道では、「マスコ」「マスイクラ」といった名前で呼ばれているようです。
小粒な分、サケの卵より甘みが強く濃厚で、皮が薄めなので、舌に皮が残りません。
そして、何よりも値段がお安いので、高価な鮭いくらは手が出しにくいけれども、存分に味わいたいという方はお求めになってみては?
筋子といくら
ぷちぷちとした食感が人気の“いくら”ですが、お高いですよね。
高級ないくらをお得に買いたい、意外と簡単ということから生筋子からいくらの醤油漬けや塩漬けを手づくりするという方は結構いらっしゃいます。
鮭・鱒のお腹から取り出したばかりの状態は「生筋子」と言います。
筋子は、卵巣膜に入っている、筋でつながっている状態の卵です。
生筋子は、鮭が海から川へ遡上するにつれて皮が硬くなります。
北海道の鮭漁のピークは、例年は9~10月です。
10月までに90パーセント以上を漁獲します。11月には、水揚げは減っていきます。
というのは、産卵期が近づくと皮が壊れないように固くなるからです。
漁期の前半は、栄養を取り入れるために柔らかく状態です。
10月頃は、皮も柔らかく、熟度の増した濃厚な味です。
筋子をぬるま湯に入れて、優しくしごくと思いのほか簡単に筋が外れて“いくら”になります。
焼き網や泡だて器を使うという方法もあるようです。
新鮮な生筋子が手に入ったら、ご自分でいくらのしょうゆ漬けや塩漬けを作ってみてはいかがでしょうか?
当店では、秋の味覚を多数扱った献立をご用意しております。
是非、秋の味覚を味わいたいと思いましたら当店へお越し下さいませ。
スタッフ一同でお待ちしております。