ブログ赤坂店

2017.12.8

松葉蟹について

皆さんこんにちわ!

瓢嘻赤坂店の料理長を務めております、石田と申します。

今年も残すところ、わずかとなってきましたね?体調の方は大丈夫でしょうか?

それでは、今月も旬の食材についてお話しさせて頂きます。

 

今回は松葉蟹についてお話しさせて頂きます。

 

 

松葉蟹は山陰地方で水揚げされるズワイガニの総称でございます。

深海に生息する大型のカニで体色は全身が暗赤色をしています。

甲は膨らみがあり三角形で、第一胸と第5胸脚は短いですが第2 – 4胸脚が長く、大きなオスが脚を広げると70cmほどにもなります。

オスの甲幅は最大14cmほどですが、メスはその半分くらいの大きさです。メスは性成熟すると脱皮を止め、短期間に産卵、抱卵、幼生放出を繰り返すので成長しなくなります。日本産の個体群は歩脚の長節が長いようです。

 

ズワイガニの「ズワイ」とは、細い木の枝のことを指す古語で「楚(すわえ、すはえ)」が訛ったものとされております。漢字では「津和井蟹」とも書かれます。

オスとメスの大きさがあまりに違うため、漁獲される多くの地域でオスとメスに別の名前がつけられております。

 

オス→エチゼンガニ、マツバガニ、ヨシガニ、タイザ(タイザガニ)など

 

メス→メガニ、オヤガニ、コッペガニ、コウバコガニ、セコガニ、セイコ(セイコガニ)、クロコなど

 

生態は山口県以北の日本海と、茨城県以北からカナダまでの北太平洋オホーツク海、ベーリング海に広く分布致します。

 

水深50 – 1,200メートルほどの砂泥底に生息しますが、おもな生息域は水深200 – 600メートルほどの深海で、水温は0 – 3度程度の水域を好みます。

 

食性は雑食性ですが肉食性が強いため、貝類や多毛類などを食べます。

また、海底に落ちた魚介類や海洋性哺乳類などの屍骸、脱皮した自分自身の殻も食べます。

産まれてから親ガニになるまでに約10年かかり、雄は11齢で漁獲許諾サイズの甲羅幅90mmを超えます。

最終齢からは4年程度生存します。最終齢までは脱皮すると損傷した足は再生します。

 

産卵期は、初産6 – 7月、経産2 – 4月。

深海域に生息するため、脱皮、季節移動、寿命など生態の解明は十分におこなわれておりませんが、オホーツク海での調査では、脱皮は春で季節により生息域が変化し、雄雌で生息水深が異なっていたとあります。

交尾後産卵された卵は、抱卵され(腹節の内面にある腹肢に付着)1年から1年半経過すると、孵化しプレゾエアとなり放出されます。

 

放出後、親は短期間で再び産卵するとされております。

成熟した雌は生涯の殆どの期間、卵を抱いていようです。

また、1回目の交尾のときの精子は、雌の体内にある貯精嚢(受精嚢)に保存され少しずつ使用されます。

飼育実験によると、ゾエア幼生からメガロパ幼生期の適正飼育水温は9 – 14度程度、100日から120日で稚ガニとなり着底します。

2003年に若狭湾で行われた調査によれば、雌ガニは66,000粒程度の卵を抱き、放出いたします。

放出数は高齢のカニほど減少する事が報告されております。

 

 

皆様、ご存知の通り、冬の味覚として大変人気が高いです。

体色は暗赤色ですが、熱を加えると赤くなります。

塩茹でや蒸しガニ、カニ鍋(カニスキ)などで食べられ、新鮮なものは刺身や寿司種(寿司ネタ)としても利用されるほか、缶詰などの原料にもなります。

上品で甘みがある肉とこってりした味の中腸腺(蟹みそ)、メスの卵巣(内子)も食べられます。

甲羅によく付着している黒いつぶつぶはカニビルの卵で、これが付着しているカニは脱皮後の時間が長いことを示しており、身入りが良い証拠とされることもございます。

 

しかしズワイガニの脱皮時期とズワイガニの漁業解禁期間に数ヶ月の期間が開くこともあり、その間にライフサイクルの短いカニビルはすぐ産卵してしまうため、あまり信頼性のある目安にはならないそうです。

 

地域ブランドの一例は次の通りです。

 

※越前がに – 全国で最初にタグ付けによるブランド化した、福井県で水揚げされる雄のズワイガニ

 

※松葉ガニ →山陰地方で水揚げされるズワイガニ総称

 

※鳥取松葉ガニ →鳥取県で水揚げされる

 

※香住(かすみ)松葉ガニ → 兵庫県香美町の香住漁港で 水揚げされるズワイガニ。「香住ガニ」はベニズワイガニ。

 

※柴山ガニ →兵庫県香美町の柴山漁港で水揚げされる

 

※津居山ガニ → 兵庫県豊岡市の津居山漁港で水揚げされる

 

※間人(たいざ)ガニ → 京都府京丹後市の間人漁港で 水揚げされる

 

※大善ガニ → 京都府京丹後市の浅茂川漁港で水揚げされ、唯一の底引き船「大善丸」の名に由来

 

※若松葉がに → 脱皮して間もない雄の松葉ガニ

 

※セコがに→子持ちがに、親がに – 抱卵したメスの松葉ガニ

 

※加能(かのう)ガニ – 石川県で水揚げされるズワイガニで、名称は公募で決まった

 

※北海松葉ガニ – 北海道で水揚げされる、ロシア産のズワイガニやオオズワイガニも含めたカニ

 

 

それでは、長々とお付き合い頂きありがとうございました。

皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

 

瓢嘻 赤坂店 料理長 石田龍太郎

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