ブログ赤坂店
京都の家庭の食文化 おばんざい
「おばんざい」は京都の家庭で、受け継がれた京都の一般家庭の総菜のことをいいます。
日常のおかずを旬の素材や手近な京野菜などを使い、無駄の出ないように工夫された献立の数々。
京都の家庭で受け継がれてきた食文化といえるものです。
シンプルな味付けながら、毎日食べても飽きることのないおばんざいは、ヘルシーなイメージから近年人気が高まっています。
本日は、「おばんざい」についてお話をさせていただきます。
京都のおばんざい
一般に、「おばんざい」の味付けは京料理と同じく薄味です。
調理法としては、出汁でうま味を付けた煮物「炊いたん」が多く、ほかには焼きもの、和えもの、お漬物などもあります。
「炊いたん」は、炊いたものという意味です。
炊くというのは、ひたひたのお出汁や煮汁で、具材をじっくりと過熱し、素材にお出汁や煮汁の旨味を含ませる調理法をいいます。
“かぼちゃの炊いたん”“小芋の炊いたん”などは、素材の味を損なわない薄味で、お出汁を効かせた煮汁に、みりんやお酒などの調味料を加えた煮汁を使ったものです。
古くからの商家や旧家が多かった京都市中心部では、近郊の旬の野菜や乾物を昆布や鰹節、椎茸のだしのうまみを生かし、旬の野菜や乾物を調理してきました。
京都では、かつては海から遠かったために新鮮な魚介類の入手が困難でした。
そこで、塩干物、乾物、豆腐、旬の野菜や山菜などを使った料理が、禅宗の食文化の影響を受けながら発達していったという歴史があります。
また、「おばんざい」では野菜の葉や表皮、だしをとった乾物の残り物などをむだにせず、上手に使い切ります。
この工夫を「始末する」といい、おばんざいの特徴になっています。
おばんざいレシピ
「おばんざい」のレシピを2つご紹介いたします。
“卯の花”と“茄子の揚げ出し”です。
◎卯の花
出汁がよく染みて、しっとりとしたおからが美味しい卯の花です。
【材料・分量】4人分
おから 150g
ごぼう 50g
こんにゃく50g
人参 30g
油揚げ 30g
出汁 700cc
酒 50cc
砂糖 20 g
塩 3g
薄口醤油 20 g
みりん 50g
【事前の下ごしらえ】
こんにゃくは、長さ3㎝位の拍子木切りにしてさっとゆでておく
ごぼうも、長さ3㎝位の拍子木切りにして水にさらしておく
人参も、長さ3㎝位の拍子木切りにしておく
油揚げは、みじん切りにしておく
おからは、洗っておく
【作り方】
- 出汁パックで取った出汁を鍋に入れて火を点け、調味料を入れます
- こんにゃく、ごぼう、油揚げ、人参を入れてひと煮たちさせます
- アクを取ります
- おからを入れて良く混ぜ、アクを取りながら中火で10分炊きます
- 10分経ち、煮汁がほとんどなくなったら、かき混ぜて火を止めます
- 盛り付けて、最後に刻みネギをのせて完成です
下の動画でご確認ください。
◎茄子の揚げ出し
皮はパリッと、中はふんわり柔らかい、油で揚げた香ばしい茄子に出汁をよく染み込ませました。
揚げる時に、皮から鍋に入れるのがポイント。色よく仕上がります。
【材料・分量】
茄子 1本
おろし生姜 適量
(出し汁)
A出汁 200cc
B濃口醤油 20cc
Cみりん 20cc
【作り方】
- 茄子のへたを取って、縦半分に切ります。
- なすに8mm幅位の切り込みを入れて、ひと口大に切ります
- カットしたなすを水にさらしておきます
- その間に出し汁の材料A,B,Cを火にかけ、沸騰したら冷ましておきます
- 茄子の水気をしっかり取ります
- 茄子を170~180度の油で揚げます
- 冷やしておいた出し汁に茄子を入れて、冷ましておきます
- 盛り付けて完成です。冷蔵庫に30分ほど置くと味がよく染みます
下の動画でご確認ください。
当店では、すき焼き、しゃぶしゃぶをはじめ、様々な旬の食材を使った料理をご用意しております。
ぜひ一度、当店自慢の料理をお召し上がりになってみてはいかがでしょうか。
心よりお待ち申し上げております。