ブログ西麻布店
5月の京都 アヤメやカキツバタが咲き「葵祭」の季節
青葉若葉のさわやかな風の吹く季節になりましたが、
皆さまお元気でしょうか?
この時期の京都では本当に新緑が綺麗です。
アヤメとカキツバタ
鴨川の葉桜や柳、川端通りのイチョウ、お寺では紅葉、神社では桂や朴葉、柏の葉っぱ、新緑の色に目の疲れが癒されます。この時期の宝ヶ池では、カキツバタが見ごろを迎えます。「何れあやめかかきつばた」なんて言葉があるように、アヤメとカキツバタはよく似ていて見分けにくい花です。今回は、せっかくなのでアヤメやカキツバタについて少しお話したいと思います。
まず、花しょうぶ、アヤメ、カキツバタはすべて「アヤメ科アヤメ属」という同じ種類でとても近い関係です。
ところが、しょうぶ湯などに使われる葉しょうぶはサトイモ科で別物です。葉っぱがとても似ていますが、アヤメのような綺麗な花は咲きません。蒲穂のような黄色い花が咲きます。
名前の由来としては、花しょうぶは葉しょうぶに似ているが花を咲かせるので花しょうぶ、剣状の細い葉が縦に並んでいる様子が文目模様なのでアヤメ、衣の染料に使われたことから「書付花」と呼ばれていて、それがなまっていったものが「カキツバタ」だそうです。
咲く場所もそれぞれ違い、アヤメは乾燥地での栽培が適していて、カキツバタは水辺などの湿地帯に適しています。
花しょうぶに関しては、乾燥地、湿地、どちらでも栽培できます。見分ける方法として、花しょうぶは花弁の根元の所に黄色い目の形の模様があり、カキツバタは花弁の弁の元に白い目型の模様があり、アヤメは花弁の元の所に網目状の模様があります。
宝ヶ池の近くにある深泥池という池でも、カキツバタを見ることができますが、ここのカキツバタはとても珍しい白い色をしています。
また、北大路魯山人が「京の洛北深泥池の産が飛切りである。これは特別な優品」と評したのがここの順菜です。一時期無くなりかけていたそうですが、最近では収穫できるまでになったそうです。秋田では5月から始まる新順菜、深泥池では6月頃から収穫が始まります。
京都三大祭り「葵祭」
鴨川では納涼床や鴨川をどりが始まり、京都の奥座敷と呼ばれる貴船でも川床が始まります。
伏見、清水寺、鞍馬寺、嵐山ではお祭りも開催されます。そして京都の5月最大のお祭りと言えば、京都三大祭りにも数えられている「葵祭」です。
葵祭は正式には賀茂祭と言い、京都市の賀茂御祖神社(下鴨神社)と、賀茂別雷神社(上賀茂神社)で5月15日(陰暦四月の中の酉の日)に行われる例祭です。石清水八幡宮の南祭に対し北祭とも言います。5月15日に行われると書きましたが、実は5月の1日から始まっています。
京都市無形文化財に登録されている、競馬会足汰式から始まり、5月3日に行われる流鏑馬神事、こちらは葵祭の道中の無事を祈ってお祓いをする神事です。
糺の森にある馬場で公家の装束を着用した射手が疾走する馬の上から的を射抜きます。
5月4日には、斎王代禊の儀が行われ斎王代と女人列に参加する四十人の女性が御手洗池に手を浸して身を清めます。因みに、みたらし団子はこの御手洗池で行われる御手洗祭りが語源とされていて作られたとされています。
話は戻りまして、5月5日に下鴨神社行われる歩射神事、葵祭の沿道を清める魔除けの神事です。射手が弓を鳴らす「ひきめしき」で邪気を払い、楼門の屋根を越えて鏑矢を飛ばす「屋越式」大きな的を射る「大的式」連続で矢を射る「百々手式」がそれぞれ行われます。そして、上賀茂神社で行われる賀茂競馬舞楽装束を身にまとった乗尻が馬に乗り、左右に分かれて参道、境内の馬場で速さを競う競駈も行われます。
さらに、5月12日御蔭祭、葵祭に先駆けて、比叡山山麓の御蔭山より下鴨神社に神霊を迎える神事です。5月15日葵祭京都御所から下鴨神社、上賀茂神社へ都大路を総勢500名を越える平安絵巻さながらの優雅な行列がねり歩きます。
瓢喜では、しゃぶしゃぶやすき焼きの肉などは統一されていますが、八寸や季節の一品は各店の料理長が考案したものになっております。
もちろん懐石料理も店舗ごとに異なります。まさに「何れあやめかかきつばた」
是非色々な店舗で御食事をお楽しみください。
スタッフ一同心よりお待ちしております。
瓢喜西麻布店 料理長 小川隆太郎