ブログ西麻布店

2017.2.17

二月の京都

寒気の中にも、早春の息吹が感じられるころとなりました。

いかがお過ごしでしょうか?

今年は皆様のおかげでいいスタートをきることが出来ました。

本当にありがとうございます。

二月も半ばになりますが、いろいろな行事がありましたね。

節分、バレンタインデー、皆様は豆まきされましたか?チョコレートは渡しましたか?または、いただきましたか?

僕はいただけていません、もちろん渡してもいません。

まだまだ身も心も寒い時期、いつになったら春が訪れるのやら・・・

 

そんな寒い中、梅や椿は綺麗に花を咲かせていますね。

春の訪れを告げる花「梅」、お花見と言えば桜を連想させますが平安時代以前は花見と言えば梅を愛でる行事だったみたいですよ。

京都の北野天満宮では「梅花祭」というものがありまして、紅や白、一重、八重の50種類、約1500本の梅が咲き競います。

梅花祭は、菅原道真の命日に行われている由緒正しい催事で、その歴史は古く、約900年間も続けられてきました。菅原道真は、平安時代の貴族で、凄く頭のいい人だったと伝えられています。しかし、朝廷の政権争いに巻き込まれて罪を着せられてしまい、現在の福岡県太宰府に左遷されて失意のままなくなってしまいました。道真が亡くなった後、当時の朝廷内に落雷などの被害が相次ぎ、これを道真のたたりと朝廷内の貴族が恐れる様になり、道真を慰めるために神社を設立したのが、北野天満宮の始まりです。

因みに、菅原道真は天神さんとも呼ばれていて、学問の神様、雷の神様としても扱われているので受験シーズンは参拝客で賑わいます。菅原道真は、梅の花をとても愛した人としても知られていて「東風吹かば にほひおこせよ 梅の花 主なしとて 春を忘るな」という和歌を詠んでいます。

「京都に咲く梅の花よ、私がいなくても忘れずに咲いてほしい、そして、大宰府まで香りを届けておくれ」とうたっています。

それほどまでに、梅を愛した道真を悼んで行われる祭典が梅花祭です。当初は御祭神である菅原道真を宥めるために、音の通じる菜種の花を供え菜種御供と称していましたが、明治以降菜種の代わりに梅の花を用いられたことから、梅花御供と呼ばれるようになりました。

この御供は、四斗の米を蒸して大小2個の台に盛ったもので、古くから西ノ京に住む当宮の神人の末裔によって結成された七保会の会員により前日に参籠潔斎されて用意されます。

また、白梅、紅梅の小枝を挿した紙立を男女の厄年にちなんで42本と33本ずつ2台に分けたものも御神前にお供えします。

西麻布店 写真1梅

もう一つ二月の京都では大きなお祭りがあります、それは、「初午大祭」です。

何故、京都の伏見稲荷大社が大きなお祭りかといいますと、京都の伏見稲荷大社は、全国に約3万社もある稲荷大社の総本山だからです。

初午大祭とは、和銅4年の初午の日に、稲荷大神が最初に稲荷山に鎮座した日に由来する神業です。

初午大祭では、青山飾りという稲荷山の杉と椎の木でつくられた物を本殿に飾り、この日を迎えるというものです。そして、参拝者に対して商売繁盛、家内安全の御利益があると言われている縁起物、しるしの杉が授与されます。

そして、この日に食べるものと言えば、「稲荷すし」ですね。

そんな稲荷ずしと稲荷神社には物語がありまして、お稲荷様の使いの者が狐だったのですが、狐の好物は油揚げなので油揚げをお稲荷様にお供えするようになりました。そんな油揚げに、すし飯を詰めた寿司が出来上がったのですが、それを稲荷寿司と呼ぶようになりました。

何言っているの?と思った方少し考えてみてください。油揚げにすし飯入れたら油揚げ寿司じゃないですか。お稲荷さんとか稲荷すしって呼ばれているのはここからきているのですよ。

と言う訳で、今月の献立は節分の福豆を炊いたり、梅の枝を飾ったり、狐に見立てたお稲荷さんを用意しました。

おなかだけではなく心も満たす事が出来たらいいなと思って料理をさせて頂いております。

皆様のご来店心よりお待ちしております。

西麻布店 写真2稲荷

 

瓢喜西麻布店 料理長 小川隆太郎

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