ブログ西麻布店
水茄子(みずなす)
「水茄子(みずなす)」といえば、夏!
今では一年中食べれるようになったとはいえ、夏の味として、水茄子は欠かすことのできないというファンの方が多い大阪南部・泉州地方の伝統野菜です。
本日は、「水茄子」についてお話しをさせていただきたいと思います。
生でも食べられるのが「水茄子」
水茄子は、皮が薄くて柔らかい茄子で、アクが少なくほのかな甘みがあります。
また、名前の通り、水分を多量に含んでいて、手で握ると水が滴り落ちるほどです。
一般的なナスは、アクが強く生食には向かない野菜なので、生で食べられるというナスは珍しいものです。
日本各地で水茄子は、栽培されていますが、大阪南部・泉州地方で特に盛んに栽培されており、「泉州水なす」として有名です。
市場に出回る一般的な水ナスの形はしずく型で、すんぐりとした丸みをしています。
水茄子は皮が薄く、自分の葉やトゲですぐに表面が傷ついてしまう繊細な野菜です。
生産者の方は、傷がないものを作るために、果実に接触する葉を取り除くなど「葉かき」をして、一つひとつ傷がつかないように育てていらっしゃるそうです。
水茄子の食べ方
水茄子の特徴としては、水分が多く、皮も薄いので口に残らず、生のまま食べると独特の食感があり、ほんのりと甘味を感じることです。
水茄子の食べ方としては、生でも、火を通してもどういった料理でも美味しくいただけます。
とはいえ、やはり水茄子の最も美味しい食べ方は「浅漬け」ではないでしょうか?
水茄子を軽く塩もみして糠(ぬか)漬けをした「浅漬け」。
糠に入っている塩が水なすの水分をちょうど良く抜き、そこにぬかの旨味が入り込むことで、絶妙な美味しさが生まれます。
水茄子特有の瑞々しさ、甘味。
爽やかな食感は、夏の暑さをしばし忘れる清涼感があります。
もっとシンプルな楽しみ方としては、冷蔵庫で少し冷やしてから、手で裂いて食べることです。
本場、大阪泉州地域では、包丁を入れると美味しくないとされていて、手で裂いて食べるそうです。
といっても、大きなナスは慣れないと手で裂くことは難しいかもしれません。包丁で切れ目を入れるとキレイに避けます。
その後、お好みで醤油をかけてかつお節をまぶして食べる、または塩だけで食べるといったシンプルな楽しみ方です。
水なすは、空気に触れる時間が長くなるほど、味も色も悪くなりますので、割ったらすぐに食べるようにするのがポイントです。
水茄子は、生のままとしては、サラダやカルパッチョとしても使えます。
もちろん、煮ても、炒めても、揚げても、蒸しても美味しく召し上がることができます。
ですが、水茄子の宝物といえば「水分」。
それが失われる調理方法は、少しもったいないと思うのは私だけでしょうか?