ブログ西麻布店
地域による料理の違い~関東と関西~
寒さが肌をさす今日この頃でございますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
寒い時はやっぱりあったかい料理が恋しいですね。うどんとか、すき焼きとか、今だったら残ったお餅で雑煮とか・・・
回りくどかったですね。
今回はタイトルの通り関西と関東の違いについて書きたいと思います。
関西と関東の言葉の違い
まず、言葉について書かせていただきます。専門学校を出てすぐに京都に勉強しに行ったのですが、何を話しているのかわかりませんでしたよ。
ただでさえ専門用語の多い調理業界なのに。
先輩に「これつぶれているから、ほかしといて」
と言われて僕は何をしたらいいですか?みたいな具合ですよ。
訳すと「これ壊れているから捨てといて」なんですけど、そんなのばっかり、かしわとって、なんばとって、ぎっちょやったらあかんで、てれこにしたらええから、しんきくさいな、えらいな。
挙げ句、マクドナルドをマックって言ったら「ちゃうで、マクドや!!」
どっちでもええやん!!みたいなのを繰り広げていましたよ。
関西と関東の料理の味の違い
〈すき焼き〉
本題に入りまして、料理だとすき焼きとか、肉を焼いてからザラメ、醤油で味をつけて、水、酒で調節していく方法の関西風、味醂、酒、醤油、砂糖をあらかじめ合わせて煮詰めたもので煮ていく関東風、たまにお客様に関西風で作ってとリクエストされる時がありますが、手順としては関西風でやらせて頂いております。
違いとしては、スキダレをご用意させて頂いている所で、それは、安定した味を提供させていただくためにそういった方法をとらせて頂いております。
〈うどん〉
うどんとかですとだいぶ違いますよね。
関西だと昆布出汁がベースの薄口で味をつけいくのに対して、関東だと、鰹出汁がベースで濃い口で味をつけていきます。
出汁の違いに関しては水質が違うからだそうです。関西の水は軟水で昆布の出汁が出やすく、関東の水は硬水で昆布の出汁が出にくい分鰹を効かせるみたいです。
醤油に関しても薄口の方は色が薄いわりに大分しょっぱいのに対し、濃い口は濃い色をしている割に塩分濃度は低いです。
香りもいいし、甘みもあります、だから関西のうどんは色が薄いわりに味がしっかりしていますし、関東のうどんは色が濃いですがそこまでしょっぱくはないんです。
〈お雑煮〉
次にお雑煮です。初めて京都のお雑煮を食べたときは感動しました。
関東の醤油仕立ての澄まし汁に対して、関西の白味噌を使った味噌仕立て、その他にも関東では大体焼いた角餅が入っているのに、関西では丸餅がそのまま煮てあります。
これには意味があるみたいで「円満」という縁起を担いで関西も関東も丸餅を使っていたそうなのですが、関東は人口が集中したためにのして切り、一度に大量に取れる角餅に変わっていったそうです。あと、のしもちの「のす」というのが、敵をのすという縁起物としても扱われているそうです。
〈鰻〉
あと意外なところで、鰻の蒲焼も関西と関東では違います。
まずはさきですが、関東では背開きにします、理由としては昔の関東人は腹開き=切腹を意味するものとして好まれず背開きになったというのが有力な説です。
関西では腹を割って話すなどの意味から腹開きになっているそうです、焼き方でも関東は一度焼いてから蒸してもう一度焼き上げていて、その分関東の蒲焼はふっくら仕上がっています。
〈桜餅〉
甘い物だと桜餅が違います。
関西の桜餅は蒸した道明寺粉で餡を包んでいますが、関東では小麦粉の生地で餡を包んでいます。
個人的には関西の物も関東の物もどちらも好きですので、僕なりに関西風と関東風の長所をとった料理を作ってお客様に提供させていただきたいと思います。
どうぞ本年もよろしくお願い致します。
瓢喜西麻布店 料理長 小川隆太郎