ブログ赤坂店

2017.9.16

~9月の料理長ブログ~ 赤坂店

皆さんこんにちわ!瓢嘻赤坂店の料理長を務めております、石田と申します。
9月に入りましたが、まだまだ残暑が厳しいですね?
季節の変わり目こそ、体調に気を付けたいものです。
さて、今月も旬の食材や日本料理についてお話しさせて頂きます。

 

 

今回は松茸についてお話しさせて頂きます。

 

日本において食用キノコの最高級品に位置付けられている松茸です。
発生時期には地域差がありまして、高緯度の冷涼な地域での発生は、8月末頃から始まり

九州などの比較的温暖な地域では、11月末頃まで発生いたします。
梅雨頃に生える季節外れのマツタケはサマツ(早松)とも呼ばれまして、共に食用にされます。

 

なお、マツタケの仲間にはよく似たキノコが多数確認されております。
アカマツの樹齢が20年から30年になるとマツタケの発生が始まり30年から40年が最も活発で、

70年から80年で衰退するマツタケを採るのは難しいそうです。
通常のキノコのように地表に顔を出して傘が開ききってしまえば、香りも味も落ちます。

このため、地表からわずか1-2cm程度、顔を出したところを見極め、根本から押し上げるようにして採取致します。
シロの場所を知らない人間が、やみくもに探しても採取できない理由はこの点にございます。

また、地衣類の多い林地では傘が地上に見えないこともございます。

 

 

 

現在のところ人工栽培することができず、自然に発生したものを収穫致します。
林野庁の資料によれば、昭和初期の流通量は6000トン程度でありましたが、

最盛期の1941年には、12000トンが記録されております。
しかし、その後減少し続け1998年(平成10年)に247トンであったそうです。
2010年(平成22年)には140トン、23億円を産しましたが、これが前年比5.8倍であります。

 

1993年の様な冷夏で雨の多い年は多く発生するものの、夏が暑く8月中旬から9月末頃の降水量が少ない年は収量が減少するとされてきましたが、2010年のように記録的猛暑にも拘らず

秋降水量が周期的で十分多かったことでマツタケが歴史的豊作になる年が出現するに及んで、

夏の猛暑自体は地中温度にあまり影響を与えないために収穫量への影響は受けにくいと考えられております。

 

最近では市場流通量のほとんどが輸入品で占められ、中でも韓国や北朝鮮、中国からの輸入が多くございます。
2007年の10月には、北朝鮮産については2006年10月の核実験をきっかけとする経済制裁で輸入が止まっており、中国産については残留農薬(殺虫剤)問題に端を発する市場の不信感から価格が低迷いたしました。類似の形態・食味・香りを持つキノコは市場では一括して「松茸」として扱われております。

 

 

日本のキノコ食文化の歴史は古く、縄文時代中期(紀元前2000年頃)の遺跡から、縄文人が

キノコを食物として利用していたことを示す遺物(キノコ形土製品)が多数発見されており、

岡山市の弥生時代の百からは、マツタケを模した「土人形」が出土しております。

 

『日本書紀』には応神天皇に「茸」を献上したことが記されており、『万葉集』には奈良の高圓山のマツタケの短歌が載っており、平安時代になると当時の貴族がマツタケ狩りを季節の行事として楽しむようになったとあります。
安土桃山時代になると、武士もマツタケ狩りをしていた様子が記録として残されており、江戸時代になると一般大衆もマツタケを食していたことが江戸時代の料理本『本朝食艦』に記録されているそうです。

 

韓国の報道機関からは「マツタケへの日本人の愛着は他の追従を許さない」「(1200年前の万葉集に読まれるなどの歴史からして)日本人のマツタケへの愛はすでに遺伝子に刻印されている」

とも言われております。

 

松茸料理といいますと、松茸御飯や、天婦羅、お吸い物など、フライも大変美味しゅうございます。私、個人的には備長炭で焼いた、焼き松茸が一番美味しいと考えております。

 

 

それでは、長々とお付き合い頂きありがとうございました。
皆様のご来店をスタッフ一同心よりお待ち申し上げております。

 

 

瓢嘻 赤坂店 料理長 石田龍太郎

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